匂い袋[語句情報] »
匂い袋
「匂い袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
匂い袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
。振り返りたいのを、やっと我慢しながら考えた。 ……ハテ妙な者に出合うたわい。
匂い袋なんぞを持っているけに、たわいもない柔弱者かと思うと、油断のない体の構え、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
が、透屋か明石縮みなどの縞物を着ているらしく、襦袢はこれもうすもので、二の腕には
匂い袋を忍ばせておる。 それから衣服はどれも裾長に着て、舳へ立っている女の姿に....
「花園の思想」より 著者:横光利一
ろう看護婦たちに、彼は山野の清烈な幻想を振り撒いてやるために、そっと百合の花束を
匂い袋のように沈めておいて戻って来た。 九 山の上では、また或る....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、それがわざとらしく見えぬように取りつくろうことを瞬時も忘れない、そういう態度を
匂い袋のように肌につけている女である。年は鶴見より五つも多い。恐らくは最初姫君と....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
。その家にお仲さんというおとなしい、夢見るような女の子がいた。この子はお守りと、
匂い袋を腰につけていた。家の人達は皆お人好しであったが、世智がらく、運拙なく、い....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いたのだった。
――だが、手を放した途端に、お通はもうそこにいなかった。小さい
匂い袋が一つ、紐が切れて落ちている。彼の眼は茫然と、それを見て泣きかけていた。浅....