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包
「包〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
包の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
てくれと申しましたから。」
お芳は愈《いよいよ》気後れのしたように古い新聞紙の
包みを一つ、茶の間へ膝《ひざ》を入れる前にそっと台所の隅へ出した。折から洗いもの....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
山渡辺登《かざんわたなべのぼる》が尋ねて来た。袴羽織《はかまはおり》に紫の風呂敷
包《ふろしきづつ》みを小脇《こわき》にしているところでは、これはおおかた借りてい....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、明るい月の光に、その声の主《ぬし》を、きっと御覧になりますと、面《おもて》こそ
包んで居りますが、あの中御門の御姫様に年久しく御仕え申している、平太夫《へいだゆ....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
を醒《さ》ました。夜《よ》はまだ明け切らずにいるのであろう。風呂敷《ふろしき》に
包んだ電燈は薄暗い光を落している。僕は床《とこ》の上に腹這《はらば》いになり、妙....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
たご》の門《かど》を出た。
外はまだ人通りがなかった。二人はそれでも編笠に顔を
包んで、兼ねて敵打の場所と定めた祥光院《しょうこういん》の門前へ向った。ところが....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
人は金襴の袋から、穴銭《あなせん》を三枚取り出した。穴銭は皆一枚ずつ、薄赤い絹に
包んであった。
「私の占いは擲銭卜《てきせんぼく》と云います。擲銭卜は昔｜漢《か....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
度そこへ帰って来た。彼女は今夜は繍《ぬい》のある裳《もすそ》に竈《かまど》の灰を
包んでいた。彼女の兄も、――いや彼女の兄ではない。王命《おうめい》を奉じた金応瑞....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
たりしていた。
「じゃこれもつまらないか？」
譚は後にいた鴇婦の手から小さい紙
包みを一つ受け取り、得々とそれをひろげだした。その又紙の中には煎餅《せんべい》位....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
の字さんは東京へ帰った後《のち》、差出し人｜萩野半之丞《はぎのはんのじょう》の小
包みを一つ受けとりました。嵩《かさ》は半紙《はんし》の一しめくらいある、が、目か....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
その時｜蜑崎照文《あまざきてるぶみ》は懐《ふとこ》ろより用意の沙金《さきん》を五
包《いつつつ》みとり出《いだ》しつ。先ず三
包《みつつ》みを扇にのせたるそがままに....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
ふりながら、「なに、これでたくさんだ」と云い／＼その黐だらけの二羽の鴨を古新聞に
包んで持って帰った。....
「狂女」より 著者:秋田滋
であるらしく、ただ寝かされたままじいッとしていた。一人の兵士が、女の衣類をいれた
包を抱えて、その後からついて行った。 例の将校はしきりに自分の両手を擦りながら....
「寡婦」より 著者:秋田滋
匂いや、降った雨水、びッしょり濡れた草、湿った地面からあがって来る水分がからだを
包んでしまう。射手たちはこのひッきりなしに襲ってくる水攻めに絶えず身をかがめ、犬....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
は、近所をめぐり歩いたのだが、そういうときに彼は家財をまとめて、木綿のハンカチに
包んで行ったものだ。 こういうことが彼の後援者たる田舎ものの財布に負担をかける....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
衛門は叫びました。今三人の前に生れてから三月ばかり経った一人の赤児が、美しい布に
包まれて捨てられているのでした。伊作の話では、伊作の最初に見付けた時は、赤児はよ....