包容[語句情報] » 包容

「包容〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

包容の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河明り」より 著者:岡本かの子
殆ど前と違っているのである。河には無限の乳房のような水源があり、末にはまた無限に包容する大海がある。この首尾を持ちつつ、その中間に於ての河なのである。そこには無....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る。然し乾を父と称し、坤を母と称す、Mother Earth なぞ云って、一切を包容し、忍受し、生育する土と女性の間には、深い意味の連絡がある。土と女の連絡は、....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
ははなはだむつかしい試みには相違ない。そうしてその指揮者の頭がよほど幅員が大きく包容力が豊かでなければ、結局|狭隘《きょうあい》な独吟的になるか、さもなくばメン....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
弾性をもっている。「春雨」はビルディング街に煙り「秋風」は飛行機の翼を払うだけの包容性を失わないのである。 こう考えて来ると、和歌と俳句は純粋な短詩の精神を徹....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に努力し、苦悩し、精進したい。すべてわれらの恋によきほどのものはことごとくこれを包容し、よからぬほどのものはことごとくこれと戦って征服しなければならない。 私....
赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
政府主義の差異をできるだけ少なくすることに努め、社会主義はどこまでも無政府主義を包容していくべきだと考えていた。当時、直接行動派の元気な青年の中には、堺のおやじ....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
史、彼女はしかし決してえばってはいない。親密に、無邪気に、大様に人々を接近させ、包容し、安心させる術を十分心得ている。 南原杉子の生活力の旺盛さ。それは、誰で....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
に「私は」というところの「私」にまで到達すると、その「私」なるものは、過去現在を包容し、意識の世界ばかりでなく、潜在意識の世界をも包容し、内部世界と外部世界とを....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
屍が横たわっていたりまた武家屋敷の窓や塀には斬奸状が張られてあったり、二百万人を包容していた幕府所在地の大きな都には平和の影さえも見られなくなった。麟太郎は軍事....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
て三角尖端の枢要地六百余坪を所有しえたるも、これまた戦局の進展とともに航空会社に包容せらるるにいたって、私の空想は一場の夢と化し終った。 その用地の境内に立っ....
熱情の人」より 著者:久保栄
場の延長であり継続であって、日本劇界の進展が、大劇場の普通興行に新劇系統の作品を包容する機運を作るに及んで、自由劇場は試演劇団としての過去の形態を失うにいたった....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
態度についての問答があります。維摩の説は要するに、この現実に生きている以上、広い包容力と強い浄化の力をもって、あらゆる価値を活して行く積極的の態度でなくては人間....
建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
来住の途上なり、またはこの島に来た時からなりにおいて、種々の異民族をいくらかずつ包容し、またはそれらと混血したことはあったろうが、民族としての統一を失うほどなこ....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
は限られたる狭い範囲に、いわゆる貧乏子沢山の諺に漏れずして、盛んに繁殖する子弟を包容するが故に、その住居はますます狭隘となって、いわゆる密集部落を形づくるに至る....