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「匕首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

匕首の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ているんじゃないか、ええ、おい、妙子を。」 二十一 冷か、熱か、匕首、寸鉄にして、英吉のその舌の根を留めようと急ったが、咄嗟に針を吐くあたわずし....
白蛇の死」より 著者:海野十三
来たなあ何処の何奴だ。あの晩、てめえは何処で何をしていやあがったんだ。お由の胸へ匕首を差し附けて……」 「親分、それじゃ姐御を殺したなあ、あっしだと言うのか!」....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に照らされて、彼女は屋上から飛び降りて来た。白の練絹を身にまとって、右の手には、匕首、左の手には一人の首をたずさえているのである。 「わたくしの父は罪なくして郡....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
いて、頭上に翳し、ハタと窓外を睨む。 侍女六人、斉しくその左右に折敷き、手に手に匕首を抜連れて晃々と敵に構う。 外道、退くな。(凝と視て、剣の刃を下に引く)虜を....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
もそこから湧くか、と視められた。――これだけは工夫した女優の所作で、手には白金が匕首のごとく輝いて、凄艶比類なき風情であった。 さてその鸚鵡を空に翳した。 ....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
お膝に縋っても、是非もしようもないのでしょうか。 早瀬 実は柏家の奥座敷で、胸に匕首を刺されるような、御意見を被った。小芳さんも、蒼くなって涙を流して、とりなし....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
に扱うと、近来は誰も附合わない。第一なぐられかねない。見ずや、きみ、やかなの鋭き匕首をもって、骨を削り、肉を裂いて、人性の機微を剔き、十七文字で、大自然の深奥を....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しちゃいられない。」 と面を正しく、口元を緊めて坐り直し、 「寝ているうちに、匕首が飛んで首を攫うんだ、恐るべし……どころでない、魂魄をひょいと掴んで、血の道....
黒百合」より 著者:泉鏡花
と目前奇特を見せ、仕方を教え、針のごとく細く、しかも爪ほどの大さの恐るべき鋭利な匕首を仕懸けた、純金の指環を取って、これを滝太郎の手に置くと、かつて少年の喜ぶべ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ってしまった。町役人連名で訴えて出ると、すぐに検視の役人が来た。お寅の傷口は鋭い匕首のようなもので深くえぐられていることが発見された。 家内の者はみな調べられ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
快な友達の一座にいて、酒を飲んだり、歌を唄ったりしている時ですらも、灼けただれた匕首がわたしの心臓に突き透るように感じる時もあった。そういう場合には、わたしの理....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うにしてくれ。もちろん、そこに蝋燭や焚き物があるかどうだか見てくれ。おれの短銃と匕首も持って行ってくれ。おれの武器はそれでたくさんだ。おまえも同じように武装して....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
いっそ思い切ってその正体を突き留めようと、叔父は蒲団の下に入れてある護身用の匕首をさぐり出して、身づくろいして立ちかけたが、又すこし躇躊した。前にもいう通り....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
って来た以上、なにかの覚悟があるに相違ない。今度はさざえの殻ぐらいでなく、短刀か匕首でも忍ばせて来たかも知れない。それを思うと、二人は魔物に魅まれたように怖ろし....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
滅茶滅茶です。三人もじっとして打たれるようなのじゃあありません。懐中に呑んでいた匕首で、魂限り立ち向ったんですが、とても敵いませんでしてね。三人とも半殺しの目に....