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化かす
「化かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
化かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「貉」より 著者:芥川竜之介
山野に棲《す》んでいた。そうして、それが、紀元千二百八十八年になって、始めて人を
化かすようになった。――こう云うと、一見甚だ唐突《とうとつ》の観があるように思わ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
したえ」 「なにしろ大部屋の連中ですからね、大きな犬を一匹連れて来たんです。人を
化かす古狐がこの山に棲んでいるに相違ないから、犬を入れて狐狩をするというわけで…....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この通り、あなたも化かされましたか。あはははははは」 老人は又笑った。狐が人を
化かすのでない、人が人を
化かすのであるとは、昔から誰も云うことであるが、まったく....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にをいつまでむだ口たたいているんだ。駕籠はどうした!」 「あきれるな、またなんか
化かす気でいるんだからな。ほかのところじゃ慈悲ぶけえだんなだが、いつもこの手ばか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
見送っていた。 「ここらで見馴れねえ女だ。狐が化かしにでも来たのじゃあねえかな」
化かす積りならば、そのまま無事に立ち去る筈もあるまいと思うに付けて、ほろよい機嫌....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れた。その女は三十ぐらいだと云ったっけな」 「ちょいと見ると、二十七八ぐらいには
化かすんだけれど、もう三十か、ひょっとすると一つや二つは面を出しているかも知れま....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は山と呼んでいるが、実は小高い丘に過ぎない。それでも古木や雑草がおい茂って、人を
化かすような古狢が棲んでいるなどという噂もある。その山を越えると、大きな旗本屋敷....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
れば、たしかにこの五人の家族は、狐に化かされているとしか見えなかった。しかし狐が
化かすなどという、ばかばかしいことがあるものではない。 ちょうどこの時、列車を....
「人馬」より 著者:楠山正雄
ぎなことですから、きっと人間ではない、鬼が化けたのか、それともきつねかたぬきかが
化かすのではないかと思って、少し気味が悪くなりました。けれど何しろくたびれきって....
「離魂病」より 著者:岡本綺堂
うも、夕方とはいっても日はまだ明るい。しかも町家つづきの往来のまん中で、狐や狸が
化かすとも思われない。どんな女か、その顔をはっきりと見届けて、それが人違いである....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
た。亭主は一と息ついてまた話し出した。 「そこでそのお侍は、きっと狐か狸がおれを
化かすに相違ないと思って、刀を抜いて追いまわしているうちに、その火の玉は宙を飛ん....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
こうともしなかった。 「おい、焦らさないで正直に言ってくれ。おまえは狐で、おれを
化かすのか。それとも本当のお島か。」 「島でございます。」 「お島か。」 「はい....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
因坊と向いあいながら、笑いがこみあげてきてしようがなかった。 昔はあの山に人を
化かすタヌキがでるとか、あの村には人魂がとぶなぞといった。 今日では、空とぶ円....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
即ち、一時的に狂態を演ずるところの痴呆状態になる一種の病的現象というものは、狐が
化かすという口碑伝説の伝らない以前の日本にも、また全然狐が化すという事実を知らぬ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
称えて、いずれも紋床々々と我儘を承知で贔屓にする親方、渾名を稲荷というが、これは
化かすという意味ではない、油揚にも関係しない、芸妓が拝むというでもないが、つい近....