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化粧料
「化粧料〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
化粧料の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
たが、やがてさくさくと皮膚の上を走って行く快い感触に、思わず体が堅くなり、石鹸と
化粧料の匂いのしみ込んだ手が顔の筋肉をつまみあげるたびに、体が空を飛び、軽部を想....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ら直ぐに積立金をするよ。それ立派に支度が出来るだろう。結婚してからは、その利息が
化粧料、小遣となろうというんだ。自然嫁入先でも幅が利きます。もっともその金を、婿....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
うけとった。そのとき、彼女の毛皮の外套の合わせ目のところから、プーンと香りのいい
化粧料の匂いが流れてきた。僕は思わずその襟の合わせ目を覗きこんだが、温かそうな毛....
「階段」より 著者:海野十三
史のむっちりした丸くて白い頸部あたりに、ぎらぎら光る汗のようなものが滲んでいて、
化粧料から来るのか、それとも女史の体臭から来るのか、とに角も不思議に甘美を唆る香....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
る。学歴は問わないが、筆記試験は施行する。入団二箇月を経てより、准団員として毎月
化粧料三十円ならびに交通費を支給する。准団員の最長期間は二箇年限とし、以後は正団....
「阿宝」より 著者:田中貢太郎
結婚したが、二人は互いに世を隔てて逢った人のように懽んだ。 孫はそれから細君が
化粧料として持ってきた金ですこし豊かになった。またいくらか財産もふえたので書物に....
「道標」より 著者:宮本百合子
匂いしか思い出せないオー・ド・キニーヌの真新しい瓶を見出したのは意外だった。この
化粧料はあたりまえではモスク※で買うことの出来ないものでもある。柘榴《ざくろ》石....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りつけて、そうして思う存分に、絵に描いた美男美女の御夫婦仲……それに天樹院様のお
化粧料が十万石……」 「本多はそれがために三十一で夭死《わかじに》をしてしまった....
「王成」より 著者:田中貢太郎
の人でないから、そんな物は入用がないし、べつにもらったことはなかったが、それでも
化粧料としてもらったのが積って四十両になって、それがそのまま残っている。貯えて置....
「雨」より 著者:織田作之助
たが、やがてさくさくと皮膚の上を走って行く快い感触に、思わず体が堅くなり、石鹸と
化粧料の匂いの沁みこんだ手が顔の筋肉をつまみあげるたびに、体が空を飛び、軽部を想....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ゃ、先祖代々、馬廻りで候のが、ぺこぺこお叩頭すら。お前が、俺の女房になってみな、
化粧料だけで、五十石は、俺、妹からむしり取ってでも、差上げちまうよ。御供女中が、....
「決闘」より 著者:神西清
なければいけませんの。だものですからあたくし、女優さんみたいに、お手当のほかにお
化粧料まで頂いとりましたのですのよ。」 ナヂェージダを洗った水からわが娘を守ろ....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
を示している。そしてその混雑の中を行く人は、手に手に買物を提《さ》げている。高等
化粧料を売る資生堂には人があふれている。それも婦人ばかりではない、男が多かった。....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ばそうなんてケチなことはしません。いかにも水揚料は出します。三千ずつ三口、それに
化粧料を入れて〆めて一万両。小切手でよかったらすぐ書きます」
印東は自堕落に足....
「雨」より 著者:織田作之助
の上を走って行く快よい感触に、思わず体が堅くなって唇の辺りをたび/\拭い、石鹸と
化粧料の匂いのしみこんだ徒弟の手が顔の筋肉をつまみあげるたびに、気の遠くなる想い....