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北の方
「北の方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
北の方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
せ》で、胸さえまるで早鐘をつくように躍っていたとか申しました。でございますから、
北の方《かた》を始め、私《わたくし》どもまで心を痛めて、御屋形の門々《かどかど》....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
って非常な功績をなした人であると思います。安治川があるために大阪の木津川の流れを
北の方に取りまして、水を速くして、それがために水害の患《うれい》を取り除いてしま....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
遠征をアメリカアフリカ濠州および我がアジアの大部分に向って試みたかを。また見よ、
北の方なる蝦夷《えぞ》の島辺、すなわちこの北海道が、いかにいくたの風雲児を内地か....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
太陽の光に輝いているが、夜は暗碧の地に星辰をちりばめた釣鐘に似ている。この穹窿の
北の方の部分には、一つは東、一つは西に、都合二つの穴の明いた半円形の管が一本ある....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ット帽をかぶって白麻の背広のふとった紳士とが、同じように双眼鏡を眼にあててはるか
北の方の水平線を眺めている。そのうちに、リット少将は、双眼鏡から眼を放し、軽く笑....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
ッと蒼空に渡って、遥に品川の海に消えた。が、蔵前の煙突も、十二階も、睫毛に一眸の
北の方、目の下、一雪崩に崕になって、崕下の、ごみごみした屋根を隔てて、日南の煎餅....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
気な声を出しかけたが、つと仰向いて眦を上げた。 「あれ、また来たぜ、按摩の笛が、
北の方の辻から聞える。……ヤ、そんなにまだ夜は更けまいのに、屋根|越の町一つ、こ....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
も知らざる状にて、殆ど足を曳摺る如く杖に縋りて歩行み行けり。 人里を出離れつ。
北の方角に進むことおよそ二町ばかりにて、山尽きて、谷となる。ここ嶮峻なる絶壁にて....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
日も王子は燕の旅立ちをきのどくだがとお引き留めになっておっしゃるには、 「今日は
北の方に行ってもらいたい。あの烏の風見のある屋根の高い家の中に一人の画家がいるは....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
待石と称うるのである。行歩健かに先立って来たのが、あるき悩んだ久我どのの姫君――
北の方を、乳母の十郎|権の頭が扶け参らせ、後れて来るのを、判官がこの石に憩って待....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
|珠洲ヶ岬へ吹はなされたまいし時、いま一度陸にうけて、ともかくもなさせ給えとて、
北の方、紅の袴に、唐のかがみを取添えて、八大竜王に参らせらると、つたえ聞く、その....
「迷信解」より 著者:井上円了
や。決して定むることはできぬ。ことに地球は昼夜回転して休まざるものなれば、東西南
北の方位も、これとともに時々刻々その方向を転ずる道理である。されば、方位を定めた....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
、予とフ氏とは、嘉門次父子を先鋒とし、陸地測量部員の他、前人未知の奥穂高を指す。
北の方|嶮崖を下る八、九丁で、南穂高と最高峰とを連ねている最低部、横尾谷より来る....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
の間にか元気になって、ストンストンと速足で歩いた。 この下山の途中である。ふと
北の方を眺めた私は、桔梗色に澄んだ空に、ポッカリ浮ぶ優しい山に心を引かれた。何と....
「活人形」より 著者:泉鏡花
って見ました。有様は腰ががくついて歩行けませなんだので。すると貴客、赤城の高楼の
北の方の小さな窓から、ぬうと出たのは婦人の顔、色|真蒼で頬面は消えて無いというほ....