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「北山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

北山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
手巻きの、三分の一以上葉が抜けたような煙草を吸ったりしないはずだ。 その男――北山正雄は大阪のある銀行の下級行員であった。商業学校の夜間部を出ると、出納係に雇....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
《うち》じゅうのあるほどの物はもうみんな売り尽くしてしもうた。秋はもう末になる。北山しぐれがやがて降り出すようになったら、わたしら親子は凍《こご》えて死ぬか。飢....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
東銀子だった。 「銀ちゃん、頑張って頂戴」 声のする方を見あげて、銀子は、あ、北山さんだと、手をあてた腰を動かしながら、ふっと泪が落ちそうになった。いつの間に....
俊寛」より 著者:菊池寛
一 治承二年九月二十三日のことである。 もし、それが都であったならば、秋が更けて、変りやすい晩秋の空に、北山|時雨が、折々襲ってくる時であるが、薩摩潟の沖遥かな鬼界ヶ|島では、まだ秋の....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
当った。 「お師匠さん、あんたは東の方ですなあ。」 「そうさ、生は東だが、身上は北山さね。」と言う時、徳利の底を振って、垂々と猪口へしたむ。 「で、お前様、湊屋....
黒百合」より 著者:泉鏡花
美人とが趣く処へどこへなと行くで。奢れ! 大分ほッついたで、夕飯の腹も、ちょうど北山とやらじゃわい。」 「いいえさ、どこへ行くんです。」と島野は生真面目になって....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
、憂鬱顔で)ただ、妙に頭が痛むのです。 男3 御修法をやっておもらいなさい。……北山の何とか云うお寺にとてもかしこい行者さんがいるそうです。……ただ、この人は評....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
と云う消息が、都の人々の心を騒がし始めた。祇園清水東山一帯の花が先ず開く、嵯峨や北山の花がこれに続く。こうして都の春は、愈々爛熟の色を為すのであった。 が、そ....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
せられる。 侵入者が土人の神を祭ることは古代常に見るところである。秦氏の一族が北山城の地に侵入し、桂川に大堰を作って葛野の平野を開墾するや、地主神たる大山咋神....
西航日録」より 著者:井上円了
wood)港より乗船す。海上、風静かに波平らかなり。 海風吹断月如環、望裏送迎英北山、汽笛一声驚客夢、輪船已在愛蘭湾。 (海の風はとだえて月が輪のような姿をみせ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
作(英蘭を発って愛蘭に至る舟中の作) 浦風晩来静、雲断月如環、船去汽烟起、忽埋英北山。 (浦に吹く風が夜になるにしたがっておさまり、雲の切れ間に月が円くのぞいた....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
のほか人の嫌がる営業にも、従事しなければならなかったに相違ない。宝永七年に、京都北山甚兵衛|開の中|紙屋川付近の畠番らが、生活に窮した結果六条村エタ年寄の組下に....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
を食するものはこれを賤称して餌取と呼ぶことにまでなって来た。「今昔物語」に見ゆる北山及び鎮西の二つの餌取法師の話の如きも、畢竟牛馬の肉を食する俗法師を呼んだもの....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
い。そしてそれがさらに広まって、一般肉食者の称となった事は、「今昔物語」に見える北山や鎮西の餌取法師の語によって察せられる。もちろんこれらの餌取法師は、それ自身....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ておった。応仁・文明頃の川上の唱門も、おそらく同寺使役の人夫であったのであろう。北山から山城へ越える坂を奈良坂という。古えの奈良坂は平城京から北へ越える所で、今....