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「匙加減〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

匙加減の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薬草取」より 著者:泉鏡花
赤い男、薬箪笥の小抽斗を抜いては、机の上に紙を並べて、調合をするですが、先ずその匙加減が如何にも怪しい。 相応に流行って、薬取も多いから、手間取るのが焦ったさ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なんのなんのと、そこは、お手のものでいいかげんにごまかして、感傷転換をやるほどの匙加減《さじかげん》はあってしかるべきものを、もう取返しがつかない。 「危ねえよ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あたりが名代の者だが、この道庵に比べりゃあ赤児も同然、甘えものだ、これ見ろ、この匙加減をよく見てから物を申せ、すべて今日まで道庵の匙にかかって、生命の助かった奴....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
道庵先生は、それを耳にも入れず、 「だから、医者というやつも、貴賤貧富によって、匙加減《さじかげん》があってはならねえのだ……」 といって、ソレから自慢をハジめ....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
でも医者だからな。お種は大事な俺の姪、病気だとでも聞こうものなら、すぐに駆け着け匙加減、アッハハハ癒して見せるよ」 「どうぞお願い致します」と十兵衛は質朴な田舎....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、ぽんぽんながら、この良庵が捨ておきませぬ。のんのんずいずい乗込んで、日頃鍛えし匙加減、一服盛るに手間、暇取らぬ。和漢蘭法、三徳具備、高徳無双の拙《せつ》がつい....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
覿面に本当の事を言う先生はないのですから。 どれも皆、おめでたい子供を相手に、匙加減をして 真面目くさったり、機嫌を取ったりするのです。 メフィストフ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
るが、少なからぬ大金ではあるし、相手がよほど腕のすごいゴマの蠅ときいては、どうも匙加減の及ぶ所ではない。これはよろしく職掌がらの目明しの万吉がいい相談相手であろ....