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「区々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

区々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
品を破壊する必要がどこにあろう。ましてその目的は、芸術的価値において卑しかるべき区々たる小銅像の建設にあるのではないか。自分はさらに同じような非難を嫁が島の防波....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
たしを造り出したものは必ず又誰かを作り出すであろう。一本の木の枯れることは極めて区々たる問題に過ぎない。無数の種子を宿している、大きい地面が存在する限りは。 (....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
《ふる》い、獅子吼《ししく》を放って、国民の惰眠を覚醒せねばならぬ時代であろう。区々たる藩閥の巣窟に閉籠《とじこも》り、自家の功名栄達にのみ汲々《きゅうきゅう》....
宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
えるかどうかはわからないよ。第一わしはいつもこう考えている。絵里子の科学的天才を区々たる家庭的の仕事――コーヒーをいれたり、ベッドのシーツを敷きなおしたり、それ....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
響する力は、ときに演技指導そのものよりも、はるかに根本的であり、その重量の前には区々たる演技指導の巧拙などはけし飛んでしまうことさえある。 ○演技指導における俳....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
いが、其質に於ては大図書館にこそ及ばざれ、尋常普通の文庫に勝るものがあった。之を区々一商店の損失として金銭を以て算当すべきでは無かろう。 古来焚書の厄は屡々歴....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
るが政府は万能で無いから政府の行う処必ずしも正鵠では無い。且文芸上の作品の価値は区々の秤尺に由て討議し、又選票の多寡に由て決すべきもので無いから、文芸審査の結果....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
たのだとお察しを願いたい。 為業は狂人です、狂人は御覧のごとく、浅間しい人間の区々たる一個の私です。 が、鍵は宇宙が奪いました、これは永遠に捜せますまい。発....
黒百合」より 著者:泉鏡花
家の傳たるに足る竜川守膳が、顔の色を変えて血眼になって、その捜索を、府下における区々の警察に頼み聞えると、両国|回向院のかの鼠小憎の墓前に、居眠をしていた小憎が....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
骨格を張った傷病兵らしいのが、全身を曲った片肢で支えているのもあって、服装の点も区々まちまちであった。 しかし、誰しもの額や顳※には、痛ましい憔悴の跡が粘着り....
思い」より 著者:伊丹万作
員だのとものを対立的にしか見ないほど偏執的な人間ではない。しかし、今度の場合は、区々たる利害関係においてでなく、「国民としての良心の把持において」資本家と従業員....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
羅船』のような名篇を続出して、盛名もはや京伝の論ではなくなっている。馬琴としては区々世評の如きは褒貶共に超越して顧みないでも、たとえば北辰その所にいて衆星これを....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
画何枚かの居催促、大人に取っては、地位転換、面目一新という、某省の辞令をうけて、区々たる挿画ごときは顧みなかったために債が迫った。顧みないにした処で、受合った義....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
するというは如何にも世界的で、これを以ても鴎外が論難好きで、シカモその志が決して区々日本の学界や文壇の小蝸殻に跼蹐しなかったのが証される。 鴎外の博覧強記は誰....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ならドシドシ直してやる、」と笑った事があった。『あいびき』の訳文の価値は人に由て区々の議論があろうが、苦辛|惨澹は実に尋常一様でなかった。 が、余り原文に忠実....