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区切
「区切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
区切の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
しい歯を見せて声を出して笑った。
葉子と木部との間柄はこんなたわいもない場面を
区切りにしてはかなくも破れてしまった。木部はあらんかぎりの手段を用いて、なだめた....
「或る女」より 著者:有島武郎
の中に、すき間もる光線が、透明に輝く飴色《あめいろ》の板となって縦に薄暗さの中を
区切っていた。いつもならばまっ赤《か》に充血して、精力に充《み》ち満ちて眠りなが....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。同じ考えはまたペルシア、イスマエルの伝説にも現われ、ここでは世界は六つの時期に
区切られて出発したことになっている。物質が何らかの非物質的なものから、ある意志の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
たがただけれども、南瓜の蔓が開け閉てする、その木戸が一つ附いていて、前長屋総体と
区切があるから、およそ一百坪に余るのが、おのずから、糸七の背戸のようになっている....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
まじやくしを並べたのでも何でもいい。ただし、多くの場合、それは短いが短いなりに一
区切りついたものでありたく、必然的に次の音符を予想せしめるようなのはこまるが、要....
「転機」より 著者:伊藤野枝
はあるまいというのがみんなの考えらしいんです。しかし。」 M氏はいったん言葉を
区切ってからいった。手の出しようのないのは事実だ。今まで十年もの間苦しみながら、....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
かった。例えば、五十度の傾斜のある地面に水田を拓くとして、もしそれを半畝歩ずつに
区切らなければならぬ場合、どうしたって一枚々々の境界に相当の斜面を残さない限り、....
「薬」より 著者:井上紅梅
だ斜かけの細道がある。これは近道を貪る人が靴の底で踏み固めたものであるが、自然の
区切りとなり、道を境に左は死刑人と行倒れの人を埋め、右は貧乏人の塚を集め、両方と....
「画室談義」より 著者:上村松園
界です。 毎年五月の七日か八日ごろが私のところの衛生掃除に当たっている。それを
区切りとして夏の暑いさかりを階下の画室で、またお盆過ぎになって文展の制作を機に二....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
とうわが潜水艦をさぐりあてたのである。 艦橋に立つ艦長以下の群像は、濃いかげに
区切られて、くっきりと照らしだされた。――探照灯は、もう釘づけになって艦橋から放....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
原庭町の広い焼け野原のところ――といっても町名は明かではなく、どこからどこまでも
区切のない茫漠たる一面の焼け武蔵野ヶ原であったけれど――この原庭と思われる辺に来....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
ているんですか、なんだか銀の櫛みたいだなあ」 「よく見なさい。まっ黒な宇宙を丸く
区切って、ここに地球の輪廓が見える」 なるほど、それはたしかに見える。西瓜を二....
「地球要塞」より 著者:海野十三
な海岸線も全く消失し、只有るのは、掴《つかま》えどころのない、のっぺりした曲線で
区切られた海岸線が見えるだけである。ことに、記憶すべきは、陸地の面積が、わが金星....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
朝靄のなかに、見上げるような高橋が、女の胸のようなゆるやかな曲線を描いて、眼界を
区切っていた。組たてられた鉄橋のビームは、じっとりと水滴に濡れていた。橋を越えた....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
にして洞窟の残片のように遺っている焼け落ちた建物の一角がある。それは空中を鍵形に
区切り、刃型に刺し、その
区切りの中間から見透す空の色を一種の魔性に見せながら、そ....