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区切り
「区切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
区切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
しい歯を見せて声を出して笑った。
葉子と木部との間柄はこんなたわいもない場面を
区切りにしてはかなくも破れてしまった。木部はあらんかぎりの手段を用いて、なだめた....
「世相」より 著者:織田作之助
を横切って行き、人々の肩の間から覗くと、台の上に円を描いた紙を載せて、円は六つに
区切り、それぞれ東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の六大都市が下手な字で書いて....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
に入った!」 と須山が云った。 工場では、六百人を最初の約束通りに仕事に一定の
区切りが来たら、やめて貰《もら》うことになっていたが、今度方針を変えて、成績の優....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
る人間の姿態と、あらゆる色彩の閃きと、また凡ゆる国籍の違った言葉の抑揚とが、框の
区切りの中にぎっしり詰っている。出どころの判らない匂いと笑いと唄とを引き切るよう....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
るためだったのです。しかも、硝子に映る壁は黒いので、視野を妨げません。」と一節の
区切りまで朗読が終ると、いきなり告白書を卓上に伏せて顔を上げた。 「これから先は....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
にして洞窟の残片のように遺っている焼け落ちた建物の一角がある。それは空中を鍵形に
区切り、刃型に刺し、その
区切りの中間から見透す空の色を一種の魔性に見せながら、そ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いた。彼が職務を執るときは非常に正確で注意ぶかく、たとい談話の最中でもはっきりと
区切りをつけ、その目前の仕事を終わるまではけっして口をきかないというふうであった....
「薬」より 著者:井上紅梅
だ斜かけの細道がある。これは近道を貪る人が靴の底で踏み固めたものであるが、自然の
区切りとなり、道を境に左は死刑人と行倒れの人を埋め、右は貧乏人の塚を集め、両方と....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
まじやくしを並べたのでも何でもいい。ただし、多くの場合、それは短いが短いなりに一
区切りついたものでありたく、必然的に次の音符を予想せしめるようなのはこまるが、要....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
空地がある。信託会社の分譲地の柱が立っている。ふさがっているのは表通りの右端の二
区切りだけで、あとは古障子やら藁やら一ぱい散らかったまま空いている。それ等を踏ん....
「春」より 著者:岡本かの子
の桜が何十本か整列している。淡紅満開の花の盛り上る梢は、一斉に連なり合って一樹の
区切りがつき難い。長く立て廻した花の層だ、層が厚い部分は自然と幽な陰をつくり、薄....
「画室談義」より 著者:上村松園
界です。 毎年五月の七日か八日ごろが私のところの衛生掃除に当たっている。それを
区切りとして夏の暑いさかりを階下の画室で、またお盆過ぎになって文展の制作を機に二....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
いなということになりますが、さてここにこれが一万円、これが三万円、これが十万円と
区切りして並べるということになりますと甲乙がよく分るのであります。これはみなさん....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
って、陽の光はまず申分なく流れ込む。洗面所、手洗場は階段を上り切った真横の一間を
区切り、古風な趣きをさえ呈するものである。 私はこの二階に異常な興味を感じた。....
「四つの都」より 著者:織田作之助
婦「江藤先生、お電話です」 江藤「有難う、今直ぐ……」 江藤、先刻からの書き物に
区切りをつけるために、万年筆を取りあげ、それをしきりに振る。 江藤(庄平に)「君....