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区劃
「区劃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
区劃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
い》のある所は、巨鹿城《ころくじょう》に近い廓町《くるわまち》の最も俗塵に遠い一
区劃だった。殊に私の起臥《きが》していた書院造りの八畳は、日当りこそ悪い憾《うら....
「路上」より 著者:芥川竜之介
十六
俊助《しゅんすけ》の下宿は本郷森川町でも、比較的閑静な一
区劃にあった。それも京橋辺《きょうばしへん》の酒屋の隠居所を、ある伝手《つて》か....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
う。上げ潮で河水が多少水口から突上るところへ更に雨が強ければ、立ちしか間にこの一
区劃内に湛えてしまう。自分は水の心配をするたびに、ここの工事をやった人の、馬鹿馬....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
川という少佐の家があった。その家は、ほかの二つの建物とは裏合せになって、特に塀で
区劃されて、八軒町という町の方に向いていた。もう一つの僕等の方と隣りの建物には、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
闊な場面を、幾何学的造りの庭が池の単純な円や、花壇の複雑な雲型や弧形で、精力的に
区劃されていた。それは偶然規則的な図案になって大河底を流れ下る氷の渦紋のようにも....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
奇妙なことは、その正面の赤い壁が、よく見ると扉になっていた。扉の枠が白いペンキで
区劃をつけてあるし、引手もついていた。そしてその扉には、どういうわけか分らないが....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
その麾下は、海を渡り、赤道を越え、遥かにこの南半球の濠洲のサンデー砂漠地帯の一|
区劃に移駐することを許された次第であった。 ここでは、熱砂は舞い、火喰い鳥は走....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
り嵩のある中から……小判のごとく、数二枚。 宗吉は、一坂戻って、段々にちょっと
区劃のある、すぐに手を立てたように石坂がまた急になる、平面な処で、銀杏の葉はまだ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ある。 雪のような胸には、同じ朱鷺色の椿がある。 叫んで、走りかかると、瓶の
区劃に躓いて倒れた手に、はっと留南奇して、ひやひやと、氷のごとく触ったのは、まさ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
方へ辿って行くと……いや、解めましたて。 右の一軒家の軒下に、こう崩れかかった
区劃石の上に、ト天を睨んだ、腹の上へ両方の眼を凸、シャ! と構えたのは蟇で――手....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
むずかしい。江戸時代と東京時代とは町の名称がよほど変っている。それが又、震災後の
区劃整理によってさらに変更されるはずであるから、現代の読者に対して江戸時代の番町....
「我家の園芸」より 著者:岡本綺堂
い。日まわりも震災直後はバラックの周囲に多く栽えられて一種の壮観を呈していたが、
区劃整理のおいおい進捗すると共に、その姿を東京市内から消してしまって、わずかに場....
「三崎町の原」より 著者:岡本綺堂
震災以前もここらは随分混雑しているところであったが、その以後は更に混雑して来た。
区劃整理が成就した暁には、町の形がまたもや変ることであろう。 市内も開ける、郊....
「亡びゆく花」より 著者:岡本綺堂
くに散る。人に省みられない花だけに、なんとなく哀れにも眺められる。 市区改正や
区劃整理で、からたちをめぐらしているのは新しい建築でない。 要するにからたちの....
「九月四日」より 著者:岡本綺堂
管理は同町内のO氏に依頼してあるので、去年以来わたしは滅多に見廻ったこともない。
区劃整理はなかなか捗取りそうもないので、わざわざ見廻りにゆく必要もないのである。....