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区役所
「区役所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
区役所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
君には、ビスケットの袋を、少年少女の諸君には、塩せんべいと餡パンとを、呈上した。
区役所の吏員や、白服の若い巡査が「お礼を言って、お礼を言って」と注意するので、罹....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
くなった。 僕は用意してきたあらたな衣服を着がえ、牛舎にはいった時着た衣服は、
区役所の消毒係りの人にたくしてここを出た。むろんすぐに家へは帰られないから、一週....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ら」などと、かの女は言わないでもいいことをしゃべった。 「どういう人にだ?」 「
区役所のお役人よ――衣物など拵えて、待っているの」 僕は隣室の状景を想像する心....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
が訊いた。 「あれは、ほら」お妻は首をふって思い出そうと努力した。「亀さんちの、
区役所の用務員さんで、そうそう、浅川亀之助という名前だった、あの亀さんの末ッ子で....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
絵図によると、昔は藤村なにがしという旗本の屋敷であったらしい。私の幼い頃には麹町
区役所になっていた。その後に幾たびか住む人が代って、石本陸軍大臣が住んでいたこと....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
とてもこんなに顔のゆがんでいる僕をつかまえて辣腕をふるえる筈がない。 かえりに
区役所前の古道具屋で、青磁の香炉を一つ見つけて、いくらだと云ったら、色眼鏡をかけ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
もちろん庶子のイト子なんて見当らんです。しかし高橋の調べて来たのは本籍のある蒲田
区役所のもので、あれは戦災で原簿が焼けて新しく申告したものに拠っているんです。で....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
すネ」 「なにッ――では君は」 「もちろんお察しのとおり、私はお千の亭主でさあ。
区役所の戸籍係へ行って調べてきたらいいだろう。よくも貴公は、――」 「ああ、そう....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
うとなって、祠を建てました。これは御狸様といって昔と位置は変っていますが、今でも
区役所の傍にあります。 (明治四十五年四月『新小説』第十七年第四巻) ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の雑事で面倒を見るということが何よりも嫌いなのである。 鶴見は父が死ぬまでに、
区役所などに出頭するのを一度なりとも見たことがない。記憶のどこを探しても、そんな....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
商人の顔であり、隣組長や町会長の顔であり、あるいは郊外の百姓の顔であり、あるいは
区役所や郵便局や交通機関や配給機関などの小役人や雇員や労働者であり、あるいは学校....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
れとて真に慈善の意志から出たものか、どうかは、疑わしい。 施薬をうけるものは、
区役所、町村役場、警察の証明書をもって出頭すべし、施薬と見舞金十円はそれぞれ区役....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
りて儀式を執行するをもって足れりとす。もし寺院にて結婚することを好まざるものは、
区役所もしくは戸長役場を経て結婚を執行することあり。これをシビル・マリッジという....
「芸術は生動す」より 著者:小川未明
たなら、たとえ其処に転がっている一個の林檎に対しても主観の輝きが見られる訳です。
区役所に行って役人に遇ったゞけでも、また巡査に道を聞いただけでも、荷車を引いてい....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
い欲望をも感ずるのであるが、併し惜しいことにはもう時間が遅くなった。まだ箪笥町の
区役所前に吉熊という名代の大きな料亭があり、通寺町に求友亭などいう家のあった頃か....