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匿う
「匿う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
匿うの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「活人形」より 著者:泉鏡花
はは。かからんには後に懸念無し。亭主もし二の足ふまば我が職掌をいうべきなれど、蔵
匿うことを承知したればそれにも及ばず都合|可し。人情なればこの婦人を勦りてやる筈....
「蛍」より 著者:織田作之助
掛った自分の手を、三月の間暇さえあれば嗅いでぶつぶつ言っていたくらいゆえ、坂本を
匿うのには気が進まなかったが、そんなら坂本さんのおいやす間、木屋町においやしたら....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
、返せとおっしゃられても……」 「何んでもござらぬ。隠匿ってくだされ」 「はて隠
匿うとおっしゃいますのは? ああ解りました。ではあなた様は、また当邸へおいでなさ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
らえたのだ?」 「物見に行った仲間達で」 「何故俺達の敵の子を神聖な社殿などへ隠
匿うのだ?」 「あまり不愍でございましたから」 「不愍とは何んだ。何が不愍だ」 ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
さんだが、あんな人の眼をこっそり盗んで、鴫澤主水とかいうお侍さんを、こんな所へ隠
匿うなんて……血腥さい事件でも起こらなけりゃアいいが) これを思うと弁三爺さん....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
。では、いかにも匿まってつかわそうぞ。安心せい」 だからどこか部屋のうちにでも
匿うのかと思うと、そうではないので、ここら辺が江戸名物旗本退屈男の面目躍如たると....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
生済度を旨と致すわれら仏弟子が、救いを求めてすがり寄る罪びとを大慈大悲の衣の袖に
匿うたとて何の不思議がござる。寺領の掟すらも弁えぬめくら武士が、目に角立ててのめ....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
お縄をいただいて、御一しょに参る」 「いや、老台を連れてゆくまえに、隣家の空家に
匿うてある女賊に縄を打ちますが、お覚悟でござろうな」 「女賊とは」 「五人組のひ....
「三国志」より 著者:吉川英治
果てたが、その乱軍の中から迷うてござったお嬢さまを、実はわしが、ここの塔へそっと
匿うて――」 と、老僧の眼がふと、古塔の頂を見上げた時、疎林を渡る秋風の外に、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
去を、描いていた。 「……左近」 「はっ」 「そして、正季は、妹夫婦を、あくまで
匿う所存なのか、どうなのだ」 「さ、そこを、どうしたものか、伺うてくれとの御意で....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
之丞自身すらが、流々に任す無住の浪人、定まる家もない境遇であれば、そなたをどこへ
匿うてあげる術もない」 「家がなければ、あなたの袖の蔭へでも、また定まらぬ旅とお....