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匿名
「匿名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
匿名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
の前夜、アイスランドから一通の無線電信を受領したことに拠《よ》る。それは差出人が
匿名で、ただ“汝の崇拝者より”とあるだけであったが、電文は左のとおりであった。 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
備と呼ぶ奇言を弄ぼうとする。
「なに僕等が」と、熊城は魂消て叫んだ。
「そうさ、
匿名批評には、毒殺的効果があると云うじゃないか」法水はグイと下唇を噛み締めたが、....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
据えて、 「時に、あっしらしくもねえ妙なことを伺いやすが……最近、先生んところへ
匿名の手紙が来やしませんか」 「来たよ。しかし、地獄耳というか、よく知ってるね」....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
して「鼻をあかして」行かなければならなかった。 「キャン・クラブ」に投稿するには
匿名でもいゝので、表立って云えないことをドシ、ドシ書いてくるらしかった。 ――....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
かし微行なんだから、特別にわしをお客さまあつかいしてもらっては困る。それからあの
匿名寄附者がわしであることは、今回救援に出発する少数の幹部にだけは打ちあけてくれ....
「白井明先生に捧ぐる言葉」より 著者:坂口安吾
読のお手本を与えているようなものである。 本名では愚かしいソラゴトしか書けず、
匿名でしか本音の吐けぬ文学者などというものはない。 僕には
匿名の必要はない。い....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
年にいくつと金にならず、概ね零細な稿料であり、定収にちかいものといえば、都新聞の
匿名批評ぐらいのもの、それとて二十円ぐらいのもので、あとは出版社や友人からの借金....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
のマニ教撮影苦心談ものっている。 マニ教東京遷座由来記を心ゆくまで記述している
匿名人は、巷談社々長、サルトル・サスケであった。平山ノブ子の潜入記も面白い。彼女....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
、これも君などが読んだら、きっと、首をかしげる記事だと思いますが、先日ある新聞の
匿名欄に、歌舞伎座の「椿姫」の装置について、ゴシップがのっていたそうです。内容は....
「紅色ダイヤ」より 著者:小酒井不木
このダイヤを僕にくれてやろうと思って、僕の力をためしたのでしょう? はじめ、あの
匿名の手紙を見たとき、見覚えのある筆跡だと思いました。それから手紙の上の指紋をと....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
い。 三大新聞にくらべれば東京新聞は部数の上では二流紙であろうが、その第一面の
匿名論説たる放射線欄と云い、文芸欄の小原壮助さんと云い、その論理がいかにも粗雑に....
「恐ろしき贈物」より 著者:小酒井不木
のもとに捜索を行っても結果は陰性であった。 犯罪事件が迷宮に入ると警察は沢山の
匿名の手紙を受取るのが常であって、時には犯人自身が
匿名の手紙を出して警察を迷わす....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
より文壇で有名であったが、思想運動の嫌疑で検挙され、保釈出獄以来執筆は許されず、
匿名で「演劇集団」の演出をしているのだった。食うために商業劇団の演出へ身を落した....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の鈴木芋兵衛、『国会新聞』の野崎|左文、これらの人々のほかに尾崎|紅葉は芋太郎の
匿名で時々に『読売』の紙上に劇評を寄せていた。斎藤|緑雨もときどき飛び入りで『国....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
わせるから面倒な問題が起るのだ。」との意味のことを、さも毒々しい辞で書き連ねて、
匿名でその子供の親に送ったものがありました。これがためにその問題は、さらに差別事....