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「十丈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

十丈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
水煙と雲との間に、金色《こんじき》の爪を閃《ひらめ》かせて一文字に空へ昇って行く十丈あまりの黒竜が、朦朧《もうろう》として映りました。が、それは瞬《またた》く暇....
海異記」より 著者:泉鏡花
百尋ばかり束ね上げた鮪縄の、舷より高かったのがよ、一掬いにずッと伸した! その、十丈、十五丈、弓なりに上から覗くのやら、反りかえって、睨むのやら、口さあげて威す....
自叙伝」より 著者:大杉栄
人でしっかりと何かにしがみついていた。折々馬車が倒れそうに揺れる。下を見ると、幾十丈だか知れない深い谷底に、濃い霧が立ちこめている。僕は幾度胆を冷やしたか知れな....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
が流行って、蔵前の八幡の境内に、大人形といって、海女の立姿の興行物があった。凡そ十丈もあろうかと思うほどの、裸体の人形で、腰には赤の唐縮緬の腰巻をさして下からだ....
東京要塞」より 著者:海野十三
東京市民は、近きも遠きも、この時ならぬ空爆に屋外にとびだして、曇った雪空に何十丈ともしれぬ真黒な煙の柱がむくむくと立ちのぼるのを見上げて、不審の面持だった。....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
立てて、ずいと出た。 「(源三郎)……かくて竜宮に至りて宮中を見れば、その高さ三十丈の玉塔に、かの玉をこめ置、香花を備え、守護神は八竜|並居たり、その外悪魚|鰐....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
柱のごとく、倒にほとばしって、今つッ立った廉平の頭上を飛んで、空ざまに攀ずること十丈、親仁の手許の磨ぎ汁を一洗滌、白き牡丹の散るごとく、巌角に飜って、海面へざっ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
で、沼の片隅から真蒼な柱を立てて、峰を割り空を裂いて、ばさばさと影を落す。ものの十丈もあろうと見えて、あたかもこの蒼沼に颯と萌黄の窓帷を掛けて、倒に裾を開いたよ....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
、三人は怪物の死骸を表へ引摺り出した。 「谷へほうり込んでしまえ。」 前には何十丈の深い谷があるので、死骸はそこへ投げ込まれてしまった。二人が帰ったあとで、女....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
に聳えている高い建物を指さした。 それは古い寺に見る塔のようなもので、高さは二十丈を越えているらしく思われた。小坂部は天主閣という名すらも知らなかった。どこの....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
た。 見ると四、五十間の広さに、大石小石のナダレをなしている。幾百丈の上より幾十丈の渓底まで、八十度位い、殆ど直立同様の傾きで、あたかも滝のように、そして僅か....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
岳「信飛界、空沢岳(宛字)、嘉門次」と命名しておく。 櫓の下より東に向いて、数十丈の嶮崖を下らねばならぬ、ここが第一の難関、相悪く大降り、おまけに、横尾谷から....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
次第に多し。幣の滝を下り、二、三十人を立たしむべき磐石の上に立ちて、滝を見上ぐ。十丈もあらむ。飛沫日光に映じて、虹を現わす。瀑の左に直立せる絶壁の面に穴多く、岩....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
。 ケルンにある寺院は世界第一の高塔を有す(ただしパリの塔を除く)。その高さ五十丈以上なりという。若干の礼金を出だすものは、その寺内に保存せる宝物を参観するこ....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
で水に不便だ。清水を部落までひく樋がよく谷間にかかっている。私の渡った樋は高さ数十丈、長さ十丈ぐらいの谷間にかけられたもので、学校友だちと泳ぎに行った帰りに、『....