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十人並
「十人並〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十人並の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ていなかった。何事も独りで噛《か》みしめてみる私の性質として、表面《うわべ》には
十人並みな生活を生活していながら、私の心はややともすると突き上げて来る不安にいら....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
京の客たる予に親しみ易い。一日岡村とお繁さんと予と三人番神堂に遊んだ。お繁さんは
十人並以上の美人ではないけれど、顔も姿もきりりとした関東式の女で、心意気も顔、姿....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きながら出て来た。 お冬は十五にしては大柄の方で、源蔵の云った通り、容貌はまず
十人並み以上の色白の娘であった。右の眼に故障があるか無いかは、長三郎にはよく判ら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
鹿か、怜悧《りこう》か」と、半七は訊《き》いた。 「容貌は悪い方じゃありません。
十人並よりちっといい方でしょうね。人間もなかなかしっかりしているようです」と、金....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いとこ》同士《どうし》で、どっちも容貌《きりょう》は良くも無し、悪くも無し、まあ
十人並というところでしょうが、お由の方が年上だけにませていて、男好きのする風でし....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、色の黒いのもあるけれど、母さんが手しおに掛けて、妙齢にするまでには、ともかくも
十人並以上になるんだ、ね、そうじゃないか。」 主税は返す言もなく、これには否応....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あるが、喜左衛門は手堅く商売をしているので、世間の評判も悪くない。娘のお朝も先ず
十人並の娘で、これまでに悪い噂もなかった。なにしろ親ひとり子ひとりの尾張屋で、そ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
などよりか身上もずっとよいし、それで旧家ではあるし、おつねさんだって、あのとおり
十人並み以上な娘じゃないか。女親が少しむずかしやだという評判だけど、そのむずかし....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
。 「むむ、……まあ、そうでもないがね。」 と今度は客の方で顔を見た。目鼻立は
十人並……と言うが人間並で、色が赤黒く、いかにも壮健そうで、口許のしまったは可い....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
っと若返ったようだ。彼は新らしい妻だといって若い女を紹介した。その女はたゞ若くて
十人並の器量で、はしゃいでいるような女だった。何処か間の抜けている性質のようにも....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
大柄の、色の白い、眉の形のいい、別に取立てていうほどの容貌ではないが、こちらでは
十人並として立派に通用する女で、名はお辰、当世風にいえば辰子で、本来ならばお互い....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
ているという気の毒な身の上であることを、わたし達も薄々知っていました。容貌もまず
十人並以上で阿母さんとは違ってなかなか元気のいい活溌な婦人でしたが、気のせいか、....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
さん」と差し出されたのを、金之助は手に取って見ると、それは手札形の半身で、何さま
十人並み勝れた愛くるしい娘姿。年は十九か、二十にはまだなるまいと思われるが、それ....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
若旦那と色になるようじゃあ、定めて容貌もいいんでしょうね。 十右衛 容貌はまず
十人並以上で、和泉屋の嫁に致しても恥かしくはないかと、わたくし共も存じて居りまし....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
身を斜めにして私の方をジロリと睨んだ顔、取立てて美人と賞讃すほどではないが、確に
十人並以上の容貌で、誠に品の好い高尚い顔。けれども、その眼と眉の間に一種形容の出....