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十全
「十全〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十全の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
「いき」の核心的意味は、その構造がわが民族存在の自己開示として把握されたときに、
十全なる会得と理解とを得たのである。
{1}Maine de Biran, ....
「デカルト哲学について」より 著者:西田幾多郎
》を示すものである。明晰にして判明なるものは、それ自身によって理解せられるもの、
十全なる知識として、真にあるものでなければならない。神はそれ自身を表現するもので....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
本質が媒介にあるとするなら、論理が何等かの意味で(その意味は大切で後から見よう)
十全であるためには、即ち論理が絶対的であるためには、媒介も亦絶対でなければなるま....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
からだ。その全面が総合的に展開されて初めて事物は真理となる。真理とは一般に事物の
十全な具体性の事だ。内容の充分な発達顕現こそ、真理の名に値いする。それによって初....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
言えぬ至福に、更にその強さを増さしむることは、たとい神にも不可能である。神は天の
十全であり、愛こそは人間の
十全である。
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「学生と教養」より 著者:倉田百三
対しては完全な答えは不可能である。何故ならこれに答えるためには、その場合の事情の
十全な認識、行為のあらゆる結果の
十全なる予測が必要であるが、かかる知見は神ならぬ....
「省察」より 著者:デカルトルネ
四 或るもののうちに有するいかなる実在性すなわち完全性も、このものの第一のかつ
十全的な原因のうちに形相的に、あるいは優越的に存する。 五 そこからしてまた、....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
せんとする害悪よりも悪いものだと、なお考えるものには、前版『人口論』の結論が依然
十全の力を有つであろう。そしてもし吾々がこの意見を採用するならば、吾々は、社会の....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
遇に止むなくされて芋を食うのだ。わらじをこしらえるのだ。 父の子供のしつけ方が
十全でなかったと言って裁くことはもとより出来よう。も少しきつく仕込んで貰いたかっ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ちは物のいえる人に構うどころではない。死人の事で一杯なんだ」 と、いゝました。
十全病院に廻るよういわれました。そこで赤チンをぬられ繃帯をしてくれましたが、後で....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
ねによる色彩の諧和豊麗を志している。もともと天平弘仁の彫刻そのものが既に色彩美を
十全に発揮した造型であったのであるから、その後をうけた絵画が更に自由な規模による....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
るや。西洋の文明はわが国の右に出ずること必ず数等ならんといえども、けっして文明の
十全なるものにあらず。その欠点を計《かぞ》うれば枚挙に遑《いとま》あらず。彼の風....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
して、冷淡無情に陥らんとするの弊なきにあらず。最も憂うべき所にして、ある人の説に
十全の正直は
十全の親愛と両立すべからずといいしも、この辺の事情を極言したるものな....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
sicale の主筆であるプリュニエールがいったとおりに――「音楽技術についての
十全な知識へ、普遍的精神の宏大な博識と探求心とを結合させた」ところにあるのであろ....
「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
員中より二、三名の被疑者を出した直後ではあり、余程慎重に考慮し、事前に当局に対し
十全な諒解を求むべきであったのではないかと考える。次に吾々は従前機関誌の発行を書....