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十分
「十分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
葉を動かさない。鳶《とび》の声さえ以前の通り朗かである。この自然とあの人間と――
十分《じっぷん》の後、下女の杉が昼飯の支度の出来たことを知らせに来た時まで、彼は....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
月給取は露命も繋《つな》げないぐらいでございましょうが、何分二十年も以前の事で、
十分とは参りませんまでも、暮しに不自由はございませんでしたから、同僚の中でも私な....
「影」より 著者:芥川竜之介
来なかったですか?」
「ええ、一人も。」
「君が監視をやめたのは?」
「十一時二
十分です。」
吉井の返答《ことば》もてきぱきしていた。
「その後《ご》終列車ま....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
かしら不快な事をしでかして、再び私の反感を呼び起してしまうのです。ですから彼が三
十分ばかり経って、会社の宴会とかへ出るために、暇《いとま》を告げて帰った時には、....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
行った。
× × ×
三
十分の後《のち》、彼は南蛮寺《なんばんじ》の内陣《ないじん》に、泥烏須《デウス》....
「河童」より 著者:芥川竜之介
》を切ったり、枯れ枝を集めて火をつけたり、――そんなことをしているうちにかれこれ
十分はたったでしょう。その間《あいだ》にどこまでも意地の悪い霧はいつかほのぼのと....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
う題ですね。どんな事を書いたのですか?
小説家 ちょいと読んで見ましょうか? 二
十分ばかりかかれば読めますから、――
× × ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
《け》った。
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十分ほど前、何小二《かしょうじ》は仲間の騎兵と一しょに、味方の陣地から川一つ隔て....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
、雨が降っても、風が吹いても、午前は八時発の下《くだ》り列車に乗り、午後は四時二
十分着の上《のぼ》り列車を降りるのを常としていた。なぜまた毎日汽車に乗ったかと云....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
と店の時計を見ると、不審《ふしん》そうにそこへ立ち止った。
「おや、この時計は二
十分過ぎだ。」
「何、こりゃ
十分ばかり進んでいますよ。まだ四時
十分過ぎくらいなも....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
」
「うん、内地へ帰ることにしよう。内地へ帰って暮らすことにしよう。」
五分、
十分、二
十分、――時はこう言う二人の上に遅い歩みを運んで行った。常子は「順天時報....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
者だ。何でも平押しにぐいぐい押しつけて行く所がある。尤もその押して行く力が、まだ
十分江口に支配され切っていない憾もない事はない。あの力が盲目力でなくなる時が来れ....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
である。こう云う傾向の存する限り、微細な効果の享楽家には如何なる彼の傑作と雖も、
十分の満足を与えないであろう。 ショオとゴオルスウアアズイとを比較した場合、シ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
舎へ旅行したこともある。 人の一生を知るには、その人のなした仕事を知るだけでは
十分でない。反対に、その人のことさらしなかった事もまた知るの必要があるというべき....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
あげただけでもびくびくすれば、大目に見すごしてやった。だが、処罰が二人前になって
十分にふりかかるのは、生意気な、頑丈な、片意地な、尻の大きいオランダ人の腕白小僧....