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十夜
「十夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
に殺されていたのである。 こんな悲《かなし》い話を、夢の中で母から聞いた。 第
十夜 庄太郎が女に攫《さら》われてから七日目の晩にふらりと帰って来て、急に熱が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うでございます」と、お兼は縁側をふきながら薄暗い初冬の空をみあげた。「今晩からお
十夜でございますね」 「そうだ、お
十夜だ。十手とお縄をあずかっている商売でも、年....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
のに見合から仕て、婚礼したじゃアねえ、彼を知ってるのは私ばかりだ、十七の時だね、
十夜の帰りがけにそれ芋畠に二人立ってたろう」 母「止せ……汝まで其様ことをいうか....
「歴史の落穂」より 著者:宮本百合子
石が、その恋愛や行動において積極的自発的、不羈《ふき》な女を描くとき、それは「夢
十夜」などのようなヨーロッパを背景とするロマンティックな空想の世界であったという....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
も嫌うても、気立の優しいお妓だから、内証で逢いに行っただろさ。――ほんに、もうお
十夜だ――気むずかしい治兵衛の媼も、やかましい芸妓屋の親方たちも、ここ一日二日は....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
んで出しますんで、一番引当てよう了簡で、禁厭に蛇の袋をぶら下げて、杖を支いて、お
十夜という形で、夜中に霜を踏んで、白髪で橋を渡る婆さんもあるにゃあるんで。」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、 「八王子は糸繭《いとまゆ》がようござる」 「織物の名所でござったな」 「お
十夜《じゅうや》」 まではよかったが、 「八王子在の炭焼はまた格別な風流でござる....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
る時 耳うとき嫗が雑仕や冬ごもり 書を積みし机二つや冬ごもり 門前の籾を踏まるゝ
十夜かな 横はる五尺の榾やちよろ/\火 古蒲団縄にからげていた/\し 繕ひて幾夜....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
てから、それを検証するために検査実験を行って詐術を実証観破するのも同様である。「
十夜の半弓」「善悪ふたつの取物」「人の刃物を出しおくれ」などにも同じような筆法が....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
参に候。明日御令兄宅の御催し面白そうに候。ことによれば拝聴に罷り可出候。小生「夢
十夜」と題して夢をいくつもかいて見ようと存候。第一夜は今日『大阪』へ送り候。短か....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ありがとうござります。なまいだなまいだ。」と呟くのを聞いた。が、少なからず北国の
十夜の霜と、親鸞の故跡の近さを思わせた。 「あれが、本願寺……」 と雲の低い、....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
この地にてはできるかぎり宗教的気分にみちた生活をする気でした。キリストの四十日四
十夜の荒野の生活、ヨハネの蝗と野蜜とを食うてのヨルダン河辺の生活、などを描いてき....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
間に帳元と云うものが立って居りやして、その帳元へ寄合をして、何処に市が有ろうとも
十夜が有ろうとも、皆帳元の方から、何の品物は幾らに売れと云う割合を持って出る訳で....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
どは、願いごとをする者が毎日来て、縄で上から上へとしばりました。それを一年に一度
十夜の晩に、寺の住職がすっかりほどいて置くと、次ぎの日からまたしばり始めるのであ....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
、餅を食ってひっぱたけ 武州|大里吉見辺にも同じことをするという。播州などでは
十夜と亥の子とは全く別であって、亥の子は中の亥の日の夜いわゆる藁鉄砲の遊をする。....