十字火[語句情報] » 十字火

「十字火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

十字火の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
元気よく号令していた。 その日の夕暮の闇に乗じて、軽騎兵は堡塁と堡塁との間を、十字火を浴びながら、リエージュの町に向って突撃を試みた。ポンチスとバルションの堡....
党生活者」より 著者:小林多喜二
私達はこうして、敵のパイ共からばかりでなく、味方うちの「腐った分子」によっても、十字火を浴びせられる。その日交通費もあまり充分でなかったので、歩いて帰った。途中....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
したけれどもやがて寒雨到り行動は益々敏活を欠くのに対して、日本軍は左右の高地から十字火を浴せたのでついに支うべくもなくなった。激戦の高潮に達したのは正午頃である....
道標」より 著者:宮本百合子
がらはりめぐらされているフランスの国際金融資本の動きと、それによって養われている十字火団《クロア・ド・フウ》のようなフランスのファシスト団体の話をした。その中核....
平塚・山川・山田三女史に答う」より 著者:与謝野晶子
陥っていることを気附かずにいるかと言って注意されました。如何にも私は自分を論争の十字火の下に暴露して立っていることを認めます。私は論争を好まない者です。また論争....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
って動いている。ところがその灯は、どれもこれもしきりに十字を描いているのだった。十字火信号! ああそれは「要注意」の信号であったではないか。 「なにが『要注意』....
操守」より 著者:豊島与志雄
に化粧を直して、戻ってきた。 皆の視線が彼女を迎えた。その交錯《こうさく》した十字火の中に、彼女は微笑んではいっていった。矜持! そういった気持が動いた。自分....