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十字街
「十字街〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十字街の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「兄たち」より 著者:太宰治
ず、小説に夢中になって居りました。文学の友だちもたくさんあって、その友人たちと「
十字街」という同人雑誌を発行し、ご自身は、その表紙の絵をかいたり、また、たまには....
「喝采」より 著者:太宰治
上幸次郎、その他数氏、未《いま》だほとんど無名にして、それぞれ、辻馬車、鷲の巣、
十字街、青空、驢馬《ろば》、等々の同人雑誌の選手なりしを手紙で頼んで、小説の原稿....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
永田市長の辞職からして芝居だと云うものすらある。あれだけの大記事や号外を出して、
十字街頭の人々を驚かし、電気局の喰うや喰わずの月給日給連に局長反対のストライキま....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
真赤な猿の数を、行く行く幾度も見た。 足許には、人も車も倒れている。 とある
十字街へ懸った時、横からひょこりと出て、斜に曲り角へ切れて行く、昨夜の坊主に逢っ....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
めた人はきわめて少ないのです。全く人ぞなきです。その昔、ソクラテスがアテネの町の
十字街頭に立って、まっ昼間、ランプをつけて、何かしきりに探しものをしていました。....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
を払って起ちあがった。 町はラッシュアワアだったが、秋の侘びしい光線が一層この
十字街を無秩序なものにしていた。葉子は一緒に歩くことをも憚るように、急いで向う側....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
とを意識してする自分が、とうとう惨めに考えられた。彼はよした。 龍介は賑やかな
十字街を横切った。その時前からくる二人をフト見た。それは最近細君を貰った銀行の同....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
立てて、助かろうと思うても埒明かんよ。我輩あえて憚らず、こうやって手を握ったまま
十字街頭を歩くんじゃ。誰でも可い、何をすると咎めりゃ、黙れとくらわす。此女取調の....
「『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
美術学校の彫刻科にはいっていたのであるが、彫刻よりも文学のほうが好きなようで、「
十字街」という同人雑誌の同人になって、その表紙の絵をかいたり、また、創作も発表し....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
《ひさ》の剣突か涙声か、何れ碌なことには出逢わないのだし……はて? 広い通りの
十字街だった。満員の電車が幾つも幾つも通り、暖かそうな人顔の覗いてる自動車が駆け....
「道化役」より 著者:豊島与志雄
ながら、そして胸の中の欝積を新たにしながら、二十間ばかり間をおいてつけていった。
十字街にさしかかった時、彼女はストップに会って、十人ばかりの人中に立止った。私は....
「地上」より 著者:島田清次郎
、こっそり和歌子に手紙をやることを許さないものであった。「どうしたものか」と彼は
十字街に立って考えこまずにいられなかった。十分間も彼は佇んでいた。路の正面は和歌....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
、全ての郡民に読物を供給するに足り、その閲覧室は全ての郡民に開放せられれ各村及び
十字街頭に約二十カ所の分館を設け郡の公立学校を書籍配給の仲介に充つ。全ての郡民は....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
でなくても大概|退け時には一度丸ビルを通過して東京駅に来るのである。丸ビルの下の
十字街が雑踏するのは、正午の食事時とこの退け時である。 それ等の人は日曜日には....
「文妖伝」より 著者:田中貢太郎
、もう往来する者もなくなって寒さのみが歩いていた。そこは電車の交叉点になった広い
十字街頭で、右側の停留場には三人の乗客がインバの肩をすぼめて黙々と立っていた。天....