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十字路
「十字路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十字路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
山の手の高台で電車の交叉点になっている
十字路がある。
十字路の間からまた一筋細く岐《わか》れ出て下町への谷に向く坂道があ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のものを与えてくれる。しかも両者は一度は相失う程に分れ別れても、何時かは何処かで
十字路頭にふと出遇うのではないだろうか。それは然し私が顧慮するには及ばないことだ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ディングに反響した。深夜の散歩者は、いよいよ萎縮しきって、不安な歩行をつづけた。
十字路へ出ようという途端に、突然カラカラという音がして、なにかフワフワした白いも....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
真は私の気に入らなかった。今度は相良十吉を遠視電話でよび出すと、彼に六時頃新宿の
十字路街で私の自動車を待っていて呉れるように伝えた。彼の顔色は前日に増して悪かっ....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
の高い建物は、煤色の夜霧のなかに、ブルブル震えながら立ち並んでいた。ずっと向うの
十字路には、架空式の強い燭力の電灯が一つ、消しわすれたように點いていて、そのまわ....
「金属人間」より 著者:海野十三
ら、足には自信があったし、蜂矢は若さで追いつくつもりだった。 怪人物は、馬道の
十字路をはすかいにわたった。そのとき自動車が怪人物をじゃました、だから追うふたり....
「火星兵団」より 著者:海野十三
。その時は、もう大変な勢いだった。大きな砲弾が飛んで行くようであった。
坂下の
十字路!
そこを火星人の胴が、坂を下りて来た勢いで通り過ぎようとした時、それに....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
思議なことにいつまで経っても彼の男の姿は現れなかった。 ただ僕は、地上はるかの
十字路を、どこへ行くのか、例の黒い棺をつんだヒルミ夫人の冷蔵鞄が今しも徐々に通りすぎてゆくのを認めたのであった。....
「東京要塞」より 著者:海野十三
、しばらくゆくとスピードが殆んど一定となり、道を曲ることさえなくなった。もちろん
十字路のストップは一度も喰わなかった。なんだか郊外の方へ一本道にずんずんと進んで....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
僚に合わせる顔がない。 三高のトラックは赤線区域へはいって行った。パンパン街の
十字路で演説をぶちはじめたのである。「シメタ!」寒吉の胸は躍った。 パンパン相....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
感じるのを、息を呑み込んで、ズンズン歩きつづけることで、やっと押えた。 京橋の
十字路も、いつか越していた。 「お腹すかない?」 「何だか分りませんの。胸が一杯....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
っているんだな」 私は別に気にもかけず、先へズンズン歩いて行った。そして廊下の
十字路のその中央に置いてある袁爺の銅像の前まで来て、像を見上げて佇んだ。 する....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
まっしぐらに突き進んだ周囲を群衆が走って行く、火の舌がなぐれ走った。と、またまた
十字路へ出た。そうしてその結果は同じであった。三方だけに敵の群れがいて、一方だけ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
宗に深く愛され、厚く遇せられたが、その功に報いるために、年老いて隠居した芭蕉に、
十字路に立派な邸をつくッて与え、その辻を芭蕉の辻とよぶに至ったという。もっとも名....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
領時代の名残も見えた。草もぼうぼう繁っていた。いちばん広い通りかと思われる砂地の
十字路に出たところで、私は上の方から麦酒の空瓶らしいのを両手にかかえて小走りに駈....