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十露盤
「十露盤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十露盤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
まかせにしておいた帳簿などを自分で丹念に検《あらた》めて、ついぞ持ったことのない
十露盤《そろばん》などをせせくるようにもなった。彼は純な百姓生活にかえって、土の....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
胆《きも》をもって生まれた彼は小さい商人《あきんど》に不適当であった。彼は細かい
十露盤《そろばん》の珠《たま》をせせっているのをもどかしく思って、堂島《どうじま....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の先をずらりと見渡した。四十以上の大番頭が帳場に坐って、その傍に二人の若い番頭が
十露盤《そろばん》をはじいていた。ほかにもかの和吉ともう一人の中年の男が見えた。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろう」 「違います、違います」と、彼はまた叫んだ。「そりゃあ私じゃあありません。
十露盤絞りの手拭をかぶった若い野郎です」 「てめえはそれをどうして知っている」 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りの弟子を教えていて、書流は江戸時代に最も多い溝口流であった。手習い一方でなく、
十露盤も教えていたが、人物も手堅く、教授もなかなか親切であるというので、親たちの....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
様へ奉公に来て、一文不通の木具屋の忰が、今では何うやら斯うやら手紙の一本も書け、
十露盤も覚え、少しは剣術も覚えたのは、皆大旦那のお蔭、今日の場合にのぞんで年のい....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
用とを要し、小谷狩、大谷狩から美濃の綱場を経て遠い市場に送り出されるまで、これが
十露盤ずくでできる仕事ではないという。それでもなおかつ尾州藩が多くの努力を惜しま....
「家」より 著者:島崎藤村
、大店の番頭もあったものではなかった。何か気に喰わぬことを言われた口惜まぎれに、
十露盤で番頭の頭をブン擲ったのは、宗蔵が年季奉公の最後の日であった。流浪はそれか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ませんから、親分の岡っ引が何とか面倒を見てやらなけりゃあならない。つまり初めから
十露盤が取れないような無理な仕組みに出来あがっているんですから、自然そこにいろい....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
ていたずらに心を動かすがごとしという遍昭が歌の生れ変り肱を落書きの墨の痕淋漓たる
十露盤に突いて湯銭を貸本にかすり春水翁を地下に瞑せしむるのてあいは二言目には女で....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
る。ほかに番頭弥助、三十二三歳。おなじく和吉、二十四五歳。いずれも帳面をならべて
十露盤をはじいている。若い者庄八と長次郎は尻を端折って店さきに出で、小僧三人に指....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
と、その大道具衣裳かつら一切を持って地方幾カ所の巡回興行をつづけ、それを通算して
十露盤を取ることにする。大道具もたたんで汽車に積んでゆくつもりである。劇は新旧二....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
はない。吉五郎はこれだけの笞打をうけた後に、更に石を抱かされたのである。石抱きは
十露盤板と称する三角形の板をならべた台のうえに罪人を坐らせて、その膝のうえに石の....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なんでも手で障って見ない物は、何里も先にある、
握って見ない物は、まるで無い、
十露盤で当って見ない物は※
秤で掛けて見ない物は目方がない、
自分で鋳たのでない....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
りだ、え、何歳になるよ」 安「へえ、私は四十五歳」 主「ふざけなさんナ、おまえは
十露盤を取ったり帳面を扱ったりさせれば一廉の人間だけれども、人を馬鹿にするも程が....