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千世
「千世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
千世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
若殿様は、愈御酒《いよいよごしゅ》機嫌の御顔を御和《おやわら》げになって、
「三
千世界は元より広大無辺じゃ。僅ばかりの人間の智慧《ちえ》で、ないと申される事は一....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
っ》とも察してくれず、お嫁にゆけのなんのというじゃないか、私の良人《おっと》は三
千世界に伊之さんより外にないんだものお前、仮令《たとえ》嫌われたって愛想をつかさ....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
いのである。 然るに今時の聖書研究は如何? 今時の聖書研究は大抵は来世抜き、「
千世経し磐よ我を匿せよ」との信者の叫は殊に審判の日に於て発せらるべきものである、....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
この広い世界のすべての存在が消えてしまって自分のからだの痛みだけが宇宙を占有し大
千世界に瀰漫しているような気がしている。夜が明けて繰りあけられた雨戸から空の光が....
「春六題」より 著者:寺田寅彦
。時と空間に関する吾人の狭いとらわれたごまかしの考えを改造し、過去未来を通ずる大
千世界の万象を四元の座標軸の内に整然と排列し刻み込んだ事でなければならない。夢幻....
「カメラをさげて」より 著者:寺田寅彦
して、その上にその平面の中のある特別な長方形の部分だけを切り抜いて、残る全部の大
千世界を惜しげもなくむざむざと捨ててしまうのである。実に乱暴にぜいたくな目である....
「連環記」より 著者:幸田露伴
義を詮するほかに余念も無く、清浄安静に生活した。眼前は日に日に朗らかに開けて、大
千世界を観ること漸くにして掌上の菓を視るが如くになり、未来は刻々に鮮やかに展じて....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
った。 皺手に呼吸をハッとかけ、斜めに丁と鑿を押えて、目一杯に海を望み、 「三
千世界じゃ、何でも居ようさ。」 「どこに、あの、どこに居ますのでございますえ。」....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
わないから今様を一つうたえ」と云うので仏は今様を一つうたった。君を始めて見る時は
千世も経ぬべし姫小松、御前の池なる亀オカにつるこそむれ居て遊ぶめれとこれを二三遍....
「亀の子を握ったまま」より 著者:田中貢太郎
れから二月ばかりしてそれが流感にかかって、ぽっくりと死んでしまった。 女房のお
千世は重なる不幸にすっかり逆上して、 「良平や、なぜ逃げるんだよ、お待ちよ」 ....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
たからフシギではなかった。 女らしさということになると、武藤山治さんの奥さん(
千世子夫人)は実に女らしい人であった。神戸のどこか金持のお嬢さんだが、奥さんとし....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
せ下され。 其まゝに千代の鏡と氷るなり 結びあまりし今朝の薄氷 大きみの
千世の例と老がつむ 心の根芹もえやしつらん など、思ひ候まゝかいつけ上候....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いをもってやらなくてはならんというのであります。またその拍った手の響きは、三千大
千世界の悪魔の胆をこの文珠の智慧の一声で驚破する程の勢いを示さなければならんと、....
「妻」より 著者:神西清
ましょう。最も内輪に見積って一人当り七コペイカとし、一世帯を五人ずつとすると、一
千世帯を養うには日に三百五十ルーブリかかります。この数字こそ、一
千世帯に対する私....
「かもめ」より 著者:神西清
一切の生き物、生きとし生けるものは、悲しい循環をおえて、消え失せた。……もう、何
千世紀というもの、地球は一つとして生き物を乗せず、あの哀れな月だけが、むなしく灯....