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千本格子
「千本格子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
千本格子の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
道の途中に八幡宮の境内《けいだい》と向い合って名物のどじょう店がある。拭き磨いた
千本格子の真中に入口を開けて古い暖簾《のれん》が懸けてある。暖簾にはお家流の文字....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
峰《はいふき》のふちをとんとたたいた。
三十番神の御神燈に、磨《みが》き抜いた
千本格子。
あさくさ田原町三丁目家主喜左衛門の住居である。
長火鉢のまえに膝....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
屑イ、屑イ――」
「チョイト、屑屋さん!」
横町の中ほど、とある小意気な住居の
千本格子があいて、色白な細面《ほそおもて》をのぞかせた年増があります。
何人も....
「虹の橋」より 著者:久生十蘭
。玄関と勝手口の並んだ浅間な仕舞《しもた》屋がつづき、その突きあたりに、古ぼけた
千本格子が奥深くしずまっている。前まで行ったが、そこもちがうらしい。うんざりして....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
箱だってなかなか手を尽くしたもので、きりぎりす籠の大きいような塩梅に前へ竹の管の
千本格子が這入っている。箱を座敷へ上げて中を見ると、動物がその格子の内に寝ころん....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
しりした二階建で、下は全部が大抵、三和土になっていて、住いは二階です。二階は細い
千本格子ですから、外はよく見えますまい。外から内はもとよりのことです。 市場の....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
横手の路地へはいって行った。 路地の奥、素人家作《しもたやづく》りの一軒建て、
千本格子に磨きがきいて、ちょいと小粋《こいき》な住居《すまい》だった。 これへ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ぎへ片足ずつ載せた藤吉は、商売柄こうした場合悪い顔もできずに、手がかりのよくない
千本格子を力任せに引き開けようとした。音もなくいつの間にか、背後に彦兵衛が立って....