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千秋
「千秋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
千秋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
うに、木村はサン・フランシスコから今ごろはシヤトルのほうに来て、私の着くのを一日
千秋の思いで待っているだろうに、わたしはこんな事をしてここで赤い着物を着た男なん....
「富士」より 著者:岡本かの子
応はこうも事祝《ことほ》いでやった、 「人民集賀、飲食富豊、代々無絶、日々弥栄、
千秋万歳、遊楽不窮」と。 しぐれ降る頃には、裳羽服《もはき》の津の上で少女男が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わず慄然としたそうですが、興行中は別に変ったことも無くて、大入りのうちにめでたく
千秋楽になりました。兎欠脣の定吉という奴も、そのあくる年の正月にやっぱり酒の上で....
「海底都市」より 著者:海野十三
ぐりこんで、そこで手足をだらんとして浮力《ふりょく》が勝って身体の浮きあがるのを
千秋《せんしゅう》のおもいで待った。ようやく浮き身がついて、身体がすううっとよっ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
百倍。 怖さは小宮山も同じ事、お雪の背中へ額を着けて、夜の明くるのをただ、一刻
千秋の思で待構えまする内に疲れたせいか、我にもあらずそろそろと睡みましたと見えて....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
見ると、莞爾っと微笑んで、 「ヤア、漸と助かりましたよ。実は、法水さんの御出馬を
千秋の思いで待ち焦がれていた所なんです。全く熊城さんの無茶な推定にはやり切れませ....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
第二作であって、昭和二年「無線電話」という雑誌に自ら主唱し、友人|槙尾赤霧と早苗
千秋とに協力を求めて、三人して「科学大衆文芸」というものを興したが、そのときに書....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
謎なのであった。 そこは、上州藤岡の劇場で、乗り込みを両三日中に控え、ちょうど
千秋楽の日であったが、儀右衛門はひさかたぶりに、法水の来訪をうけた。 舞台裏に....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
ん。六三郎はとうとう舞台へ出ることが出来ませんでした。それから二日で、この芝居も
千秋楽になりましたが、六三郎はまだ床を離れることが出来ないで、からだは日ましに衰....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
あるらしく思われた。わたしは一度見物しただけであるから能く知らないが、この盛綱は
千秋楽の日まで満足には演了されないで、いつも中途で打出しになったという噂であった....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
わしい極めて悲壮沈痛なる劇的光景であった。空しく壮図を抱いて中途にして幽冥に入る
千秋の遺恨は死の瞬間までも悶えて死切れなかったろうが、生中に小さい文壇の名を歌わ....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
しい顔がまだ眼の前に彷彿いて、迚も寝られる筈がない、ただ怖い怖いと思いながら一刻
千秋の思で其夜を明した。と、斯ういうと、諸君は定めて臆病な奴だ、弱虫だと御嘲笑な....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
わが歳末のごとし。地方の停車場などには当日に限り、「天下泰平、武運長久、鉄道会社
千秋万歳」と題示せるあり。これまた、わが国風に異ならず。 クリスマスの朝は、各....
「西航日録」より 著者:井上円了
述ぶ。 喜麻拉亜の景色如何と人問はゞ天上天下唯我独尊 岳勢巍巍圧四陬、摩天積雪幾
千秋、人間一接斯光景、豪気将呑五大洲。 (高大なる山の姿は巍々としてそびえて四方....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。左の二首はそのときの所感を写す。 遥訪車、老農猶守古賢廬、壁間留得林檎影、知是
千秋不朽書。 (はるかにぽつんとある村を訪ねて、日暮れに車をとどめた。老いた農民....