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千金
「千金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
千金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
、家姫《かき》を出したり、音楽を奏したり、盛な饗宴《きょうえん》を催したあげく、
千金を寿《じゅ》にしたとかいうことです。私はほとんど雀躍《じゃくやく》しました。....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
。年若く身は痩《や》せて心のままに風と来り風と去る漂遊の児であれば、もとより一攫
千金《いっかくせんきん》を夢みてきたのではない。予はただこの北海の天地に充満する....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
。 映画会社には最低給料に関する規定がない。したがって映画従業員の月給は上は数
千金から下は無給の例さえあるのである。 映画会社には恩給制度、退職手当に関する....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
大下邸もこの前とは変わり、きれいに片づき、既に種もまいてあるそうな。この家の塀が
千金の値あり。 ◯今日は裏の防空壕の上に、庭の敷石(実は小石をセメントで固めたも....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
では金銀五彩の美くしいのを誇った書冊が目のあたりに灰となり泥となってるを見、現に
千金を値いする大美術書を足下に踏まえてるを気が付くと、人世無常の感に堪えない。彼....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
のようなものだ。常に美食していないと忽ち衰えて了う。が、馬の方は遊戯的に愛撫して
千金を費して飼育するを惜まない金持があるが、人間の文人は時としては飼養者に噛付く....
「金属人間」より 著者:海野十三
ひとまず休憩《きゅうけい》、絶景《ぜっけい》かな、絶景かな、げに春のながめは一目
千金《ひとめせんきん》……」 と、釜はまたそろそろと綱をわたりだした。囃方《は....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
く白痴と言わんけりゃならんですが、この旱です、旱魃です。……一滴の雨といえども、
千金、むしろ万金の場合にですな。君が迷信さるる処のその鐘はです。一度でも鳴らさな....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
擦れて鳴ったほど、深く身に響いて聞いたのである。 「癩坊主が、ねだり言を肯うて、
千金の釵を棄てられた。その心操に感じて、些細ながら、礼心に密と内証の事を申す。貴....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
んでいる、なかまが二人、一人は検定試験を十年来落第の中老の才子で、近頃はただ一攫
千金の投機を狙っています。一人は、今は小使を志願しても間に合わない、慢性の政治狂....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
るようなら、貴僧、閉めましょう。」 「いいえ、蚊を疵にして五百両、夏の夜はこれが
千金にも代えられません、かえって陽気の方がお宜しい。」 と顔を見て、 「しかし....
「露肆」より 著者:泉鏡花
場の当る法、弁ずるまでもありませんよ。……我人ともに年中|螻では不可ません、一攫
千金、お茶の子の朝飯前という……次は、」 と細字に認めた行燈をくるりと廻す。綱....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ぬ。とかかる折にも油断無く八蔵の身体を検して腰に附けたる鍵を奪いぬ。時に取りては
千金にも勝りたる獲物ぞかし。これあらば赤城家へ入込むに便あり造化至造妙と莞爾と頷....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の名を与え、これ何大師の遺骨なり、これ何上人の遺骨なりと称し、世のヤソ教信者より
千金万金を取りてその品を売り渡すという。ゆえに、昔時大罪人の骨、今日大聖者の骨と....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
に注ぎ、来るか来るかと、待ちわびしが、僅に、当歳魚五六尾挙げしのみにて、終に一刻
千金と当てにしたりし日も暮れぬ。 薄暗き小ランプを友として、夕飯を喫す。西天を....