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午時
「午時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
午時の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
る。 纐纈城の構内へこうしてとうとう入り込んだのである。永禄元年七月二十日、正
午時刻のことである。 纐纈城では捕虜のことを「大事な賓客」と呼んでいた。その大....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
横に動ける局部の作用たちまち成るを告げて、戦闘の準備は時を移さず整いぬ。あたかも
午時に近くして、戦わんとしてまず午餐の令は出でたり。 分隊長を助け、部下の砲員....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
小島成斎が六十七歳で歿した。成斎は朝生徒に習字を教えて、次で阿部家の館に出仕し、
午時公退して酒を飲み劇を談ずることを例としていた。阿部家では抽斎の歿するに先だつ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
、先ず機嫌も直りましたが、翌朝になり、又市は此処に長く居ては都合が悪いと心得、正
午時分までは何事もなくって居りましたが、昼飯を食ってしまって急に出立と成りました....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
袍の上へ兵古帯を巻きつけたまま日射の可い自分の書斎に寝転んで新聞を読んでいたがお
午時前になると退屈になり、書斎を出て縁辺をぶらぶら歩いていると 「兄様」と障子越....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぬ。
仏教に於ては、正午前だけが時であって、午後は時に非《あら》ず。持戒の僧は
午時に於てだけに食事をする。
午時を過ぎては「過中不飲漿」である。もし正午十二時を....
「蠅供養」より 著者:田中貢太郎
兵衛は後から往って掌の中の虫をむこうへ突き放すように捨てて戸を閉めた。 翌日の
午時分、九兵衛と女房は茶の間で火鉢をなかにして、親類の女の嫁入りのことに就いて話....
「今戸心中」より 著者:広津柳浪
溝《おはぐろどぶ》を隔てて善吉が立ッているのを見かけた者もあッた。 十
午時《ひる》過ぎて二三時、昨夜《ゆうべ》の垢《あか》を流浄《おとし》て、今夜の玉....
「蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
へ往って、県の真女児の家はと云って尋ねたが、何人も知った人がなかった。そのうちに
午時も過ぎたところで、東の方からかの稚児髷の少女が来た。女の家は直ぐそこであった....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、事務多端に忙殺されて留置場に拘留人がいることなどはすっかり忘れていたのである。
午時二時十分過ぎと思われるころ、いかりの肩の、背の高い、見馴れない一人の警官が留....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
並べ、纏絡植物それより生え出でる。舞台の右方はこの壁にて仕切られるなり。 晩夏の
午時。石欄より登り来る階段の上にはデジデリオ、アントオニオ、バチスタ、パリスの四....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
き、遠く上野の電気燈が鬼火《ひとだま》のように見えているばかりである。 次の日の
午時頃《ひるごろ》、浅草警察署の手で、今戸の橋場寄りの或|露地《ろじ》の中に、吉....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。) ときどき雲煙前路を遮るために、汽笛を鳴らして過ぐ。潮流、暖を送り来たる。
午時、一声の雷あり。腰折れ二、三首、左に録す。 海原に絶えて桜のあらざれは、波の....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
されど小川は君が方へ流れ寄り、
軽き風は優しく君を休ませまつらんと吹けり。
真
午時にまどろみ給へば、
木末の一葉だに動くことなし。
すこやかなる草木の芳しき香....