半夜[語句情報] » 半夜

「半夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
に思わざるにはあらず。海気は衣を撲《う》って眠《ねむ》り美ならず、夢魂《むこん》半夜|誰《た》が家をか遶《めぐ》りき。 二十七日正午、舟《ふね》岩内を発し、午....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
。しかし実は席を極めるのに困りました。 何しろこの百物語……怪談の会に限って、半夜は中途で不可ません。夜が更けるに従って……というのですから、御一味を下さる方....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
の食事にも事かかず、シーズンごとに新しい背広を作りかえ、そしてちょっと街へ出ても半夜に百円ちかい小遣銭をまきちらすような今の生活を捨てる気は全然なかった。経済状....
」より 著者:織田作之助
はできなかった。 それまで三十石船といえば一艘二十八人の乗合で船頭は六人、半日半夜で大阪の八丁堀へ着いていたのだが、登勢が帰ってからの寺田屋の船は八丁堀の堺屋....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
のだ。私は幾度でもくり返してこれが嘆かれる。心から一枚のハガキを書き、身に沁みて半夜の宴が語りたい。 幼稚な演説会。謄写版ずりの回覧雑誌、山登りと野営(キャン....
火の扉」より 著者:岸田国士
けた。 待ちかねたように、客がぞろ/\とはいつて来た。 こうして、また、半日半夜がすぎるのである。 三人連れの客を相手に、彼女は、今日は、思ひきりはしやい....
女の出る蚊帳」より 著者:田中貢太郎
うのが、古著屋からであろう、蚊帳を買って来て、それを釣って寝たところで、その夜の半夜頃、枕頭へ女の姿があらわれた。それは白地に覇王樹のような型を置いた浴衣を著て....
良夜」より 著者:饗庭篁村
さ元のごとくならず。されどこの清風明月の間にしばらくなりと居た者が活版所へ戻りて半夜なりとて明かさるべきにあらねば、次第に更けて人の通りの少なくなるを心待にして....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
り来り、又われわれに夜の物の化を見ることを教えてくれた。 パリス 彼はわれわれを半夜より起し、われわれの心を明るくし且つ豊富にしてくれた。日々の流れ、差す潮引く....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
いて胎内竇の中を行く 胆略|何人か能く卿に及ばん 星斗満天|森として影あり 鬼燐半夜|閃いて声無し 当時武芸前に敵無し 他日奇談世|尽く驚く 怪まず千軍皆|辟易....
妖怪学」より 著者:井上円了
いう。もし我人、この真の妖怪を接見せんと欲せば、よろしくこの偽物妖怪を一掃して、半夜風波の静定するを待ち、良心の水底に真理の月影を観見せざるべからず。これ、我人....
審判」より 著者:カフカフランツ
まえに少なくともいくらかの仕事を片づけるためであった。少し準備しておこうとして、半夜をイタリア語の文法の勉強に過したので、非常に疲れていた。最近ではあまり頻繁に....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たごとくヤムド湖の岸で殊に美しい場所ですが、前に通った時ほど美しく感じなかった。半夜深山の旅行 蜿蜒と畝って居る道を南の方へ進んでパルテー駅に着いた時はちょ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
にあらず。太陽の地下に入るとき、新月なお西天に印して、一段の風致を添う。夜十一時半夜陰に入るも、なお暗黒なるに至らず。 八月一日、快晴。午前七時、船すでにオン....