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半歩
「半歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂言の神」より 著者:太宰治
うな状態に在るうちは、心もにぶって、なかなか死ねまい。とにかく東京から一歩でも、
半歩でもなんでも外へ出る。何卒《なにとぞ》して、今夜のうちに、とりかえしのつかな....
「野分」より 著者:夏目漱石
やかい。いやなら仕方がない。僕は失敬する」 相手は同情の笑を湛《たた》えながら
半歩|踵《くびす》をめぐらしかけた。高柳君はまた打たれた。 「いこう」と単簡《た....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 ◯浅草は稲荷町から上野駅前へかけて焼け残っている。他に人家を見ず。 ◯二時間
半歩いて上野駅へ達した長蛇のような女工さんの群あり、集団引越だそうな。 三月二....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
出来ようが出来まいが、何でも角でも動かねばならぬ、仮令少しずつでも、一時間によし
半歩ずつでも。 で、弥移居を始めてこれに一朝全潰れ。傷も痛だが、何のそれしきの....
「葉」より 著者:太宰治
よもやそんなことはあるまい、あるまいけれど、な、わしの銅像をたてるとき、右の足を
半歩だけ前へだし、ゆったりとそりみにして、左の手はチョッキの中へ、右の手は書き損....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
が危険を物の数ともせずして、自分の身を自分が置くべきとする処に置いた以上は一歩も
半歩も退《ひ》かぬ剛勇の人であることが窺《うかが》い知られる。つまり氏郷は他を律....
「転機」より 著者:伊藤野枝
幾十倍、幾百倍ともしれない世間に漲った不当な力に圧迫され、防ぎ止められて、一歩も
半歩も踏み出すことはおろか、どうかすれば反対に、底の底まで突き落されはね飛ばされ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
しかし溝《みぞ》に叩き込まれんとする時は、ドッコイ、いかぬぞ、これより先は一歩も
半歩も譲ることが出来ぬ。この場合に臨みなお譲らせようとするものもあれば、断然|御....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
避しなければならず、したがつて我々は意識的に一応退化しなければならない。一歩でも
半歩でも絶えず前へ進むところに芸術にたずさわるもののよろこびがある。うしろへ進め....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ぞ!」
で順々に五人を見た。左の腕を肘から曲げて、掌を腰骨へあてている。右足を
半歩あまり前へ踏み出し、左足の踵を浮かせている。で、いくばくか上半身が、前方に向....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
なくてはならない。 しかし、どうしても、これでは、諦めかねた。竜太郎は、軽く、
半歩前へ歩み出ると、女王の眼を瞶めながら、必死のいきおいで、囁いた。 「女王殿下....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
喜びとしないわけにはゆかない。 志ん生の噺にたいする一家言はなかなか鋭角的で、
半歩も他に譲らないきびしいものをもっている。権門に降《くだ》らず、ひたすらほんと....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
はがして骨をあらわし、鋸をもってごしごし頭蓋骨を挽き始めました。男はそれを見て、
半歩ほど後ろに退き、垂れた両手の先を二度、握ったり伸したりしました。然しやっぱり....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で歩まないとどうしても平均が取れない。その筈です。大臣は非常に大きいから私が一足
半歩まなくちゃあ大臣の一足に足らないのです。大臣はゆるゆる話して行かれるけれども....
「女の魚売り」より 著者:小川未明
で私といっしょにきてください。」と、女は頼みました。 主人は、一|里や、一|里
半歩いていっても、これだけのたいが、みんな自分のものになるのだと考えると、ゆくこ....