半生[語句情報] »
半生
「半生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
とは限らなかった。彼はその為に少くとも孤独に堪える性情を生じた。さもなければ彼の
半生の歩みは今日よりももっと苦しかったであろう。彼は彼の夢みていたように何冊かの....
「河童」より 著者:芥川竜之介
う三十を越しているであろう。が、一見したところはいかにも若々しい狂人である。彼の
半生の経験は、――いや、そんなことはどうでもよい。彼はただじっと両膝《りょうひざ....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
それは実際何でもない。ただ乾いた山砂の上に細《こま》かい蟻《あり》が何匹も半死
半生《はんしはんしょう》の赤蜂《あかはち》を引きずって行こうとしていたのです。赤....
「或る女」より 著者:有島武郎
たった。しかしその酔いがさめたあとの苦痛は、精神の疲弊と一緒に働いて、葉子を半死
半生の堺《さかい》に打ちのめした。葉子は自分の妄想《もうそう》に嘔吐《おうと》を....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
が、寥寂たる夕暮れにその頂きを徒らに天へとどかせようとしているかのように、その後
半生を陰鬱のうちに送ることとなった。不思議な人生の力に駆られて互いに抱擁し合って....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ら立ち上り、彼のさし出した手を握った。(それは僕の習慣ではない、パリやベルリンに
半生を送った彼の習慣に従ったのだった)が、彼の手は不思議にも爬虫類の皮膚のように....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ているかもしれない。 阿Qは姓名も原籍も少々あいまいであった。のみならず彼の前
半生の「行状」もまたあいまいであった。それというのも未荘の人達はただ阿Qをコキ使....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
あらさがしだけに興味を持たれることは自由であるが、そのあとで、なぜこの監督はその
半生を音楽の研究に費さなかつたか、などとむりな駄目を出されることははなはだ迷惑で....
「取舵」より 著者:泉鏡花
船暈を発して、かつ嘔き、かつ呻き、正体無く領伏したる髪の乱に汚穢を塗らして、半死
半生の間に苦悶せり。片隅なる盲翁は、毫も悩める気色はあらざれども、話相手もあらで....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
博愛事業にも関係しなかったことである。もちろん個人としての慈恵はした。 また後
半生には、科学上の学会にも出席しない。委員にもならない。これは一つは議論に加わっ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
悠然としてひとり朝飯をやっていた。久しぶりで彼は酔っぱらってさえいた。 彼の前
半生は――といってももはや後
半生も残り少なになっているのであるが――かかることの....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
心は、僻みで心得違いをしたにしろ、憎いと思った女の、過って生命を失ったのにさえ、
半生を香華の料に捧げました。…… (――これは縁起に話しましたが――) 私なん....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
これらの新傾向を胚胎した英国の政治家的文人の典型であった。幸か不幸か知らぬが終に
半生を文壇の寄客となって過ごしたのは当時の青春の憧憬に発途しておる。 井侯の欧....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
西方数百マイルを隔てて、はるかに雲影を望みて、所感の詩を賦す。 半世英名絶。 (
半生における名声はもろもろの人々よりぬきんでて、老いて後は落ちぶれてすぐれた功績....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
たのである。 島貫兵太夫氏のチベット入りの一行に加わっていたら、それ以後の私の
半生はずいぶん変わったものになっていたろう。それはともかく私はチベット行きができ....