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半身不随
「半身不随〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半身不随の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
手段または奮発(僕はこれを真に生きた愛情という)がないではないか? 僕は僕の妻を
半身不随の動物としか思えないのだ。いッそ、吉弥を妾にして、女優問題などは断念して....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
真斎があたかも風のごとくに、音もなく三人の背後に現われ得たのも、道理であろう。下
半身不随のこの老史学者は、ちょうど傷病兵でも使うような、護謨輪で滑かに走る手働四....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
それまで健康だった脳髄の左半葉に溢血して、自由な右半身に中風性麻痺が起ったのだ。
半身不随者が絶えず不意の顛倒を神経的に警戒しているのを見ても判るだろうが、異常な....
「その年」より 著者:宮本百合子
のいい親もある、という側からそういう話は話された。息子が戦死して手当が下ったら、
半身不随のようになっている婆さまと三つばかりの子をおき放してかえってしまった嫁の....
「道標」より 著者:宮本百合子
、額のひろい、やせぎすな末娘と二人で、郊外の別荘につましく生活していた。数年来、
半身不随の老婦人は、レモン色の細い毛糸で編んだ優美な部屋着につつまれて、長椅子に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
丹波鉄道が煤煙《ばいえん》を浴びせて過ぐる、その間にやっと滅び行く運命を死守して
半身不随の身を支えおるという惨《みじ》めな有様であります。 安永から天明の頃、....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
歌人|松《まつ》の門《と》三艸子《みさこ》も数奇な運命をもっていた。八十歳近く、
半身不随になって、妹の陋屋《ろうおく》でみまかった。その年まで、不思議と弟子をも....
「恢復期」より 著者:堀辰雄
の、この湖畔の小屋にまったく一人きりで暮しているのだった。ときどき神経痛のために
半身不随になるということを聞いていたが、そんな時は一人でどうするのだろうと、その....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
対の『神』又は『仏』のみを説きて、神意の行使者たる天使の存在を説かない教は、殆ど
半身不随症に罹って居る。無論ここにいう天使は、西洋式の表現法を用いたまでで、日本....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
も動かさなかった。寝台の上にあお向いたまま、ただ両手を動かして拍手かっさいした。
半身不随なのかしら、板の上に張りつけられたように見えた。 いつのまにか風で船が....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
がいくら顔をしかめてみたって、現実はどうにもならない。遊ぶ中心を失うと遊覧都市は
半身不随で、熱海は現に魂のない人形だ。熱海銀座と糸川がなくなると、この町は心臓を....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
者ですから、自分も男の仲間にはいって一緒に勝負をしていたそうです。親父のよい辰も
半身不随のくせに、やはり勝負をしていたのでございます。いつの代もおなじことで、こ....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
見した二箇条の手ぬかりを発見するものは一人もなかった。 あくる年早々、I総監が
半身不随に罹った旨が報ぜられた。世間では外相暗殺犯人の出ないことを心痛したために....
「瘤」より 著者:犬田卯
ど殆んど倍もかけるようにしてしまったし、それから、農会や信用組合まで喰いかじって
半身不随にした揚句、程もあろうに八百円の「慰労金」まで、取って辞めたという存在―....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
で脳溢血に倒れるまでは、医者にかかったことがなかったほど健康な人でした。七年間、
半身不随でおりましたが、亡くなるまで頭はしっかりしておりました。毎日沢山の新聞に....