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卍巴
「卍巴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卍巴の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
異の裡に、二十余名の男女の血と、肉と、霊魂とがいつからともなく、どこからともなく
卍巴と入り乱れて参りまして、遂にはこの「狂人解放治療場」に於て、悽惨、無残、眼も....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
の早わざである。観察者の頭が現象の中へはいり込んで現象と歩調を保ちつついっしょに
卍巴と駆けめぐらなければ動いているものはつかまえられない。 実験や観測でなくて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いるところへ、早くも乗込んだ六人の角兵衛獅子が、 「角兵衛、まったったあい――」
卍巴《まんじどもえ》とその前でひっくり返ると、てれてんつくと、ヒューヒューヒャラ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、耳にまで飛ぶ雪を、鬢を振って、払い、はらい、 「この煙とも霧とも靄とも分らない
卍巴の中に、ただ一人、薄りとあなたのお姿を見ました時は、いきなり胸で引包んで、抱....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、米友は無腰《むこし》でありました。 さて、勢いよく門の外へ飛び出した三人は、
卍巴《まんじともえ》と降る雪を刎《は》ね返してサッサと濶歩しましたけれども、米友....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
しなとして、按摩の手の裡に糸の乱るるがごとく縺れて、艶に媚かしい上掻、下掻、ただ
卍巴に降る雪の中を倒に歩行く風情になる。バッタリ真暗になって、……影絵は消えたも....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
にあの晩云ってくれたが、その何かは浪江のことだった。……あの晩以来生死の境いを、
卍巴と駈け巡ったが、しかし浪江を手に入れたのだから、無駄であったとは云われない」....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
われた。 「お浦だーッ」 そう、その首級はお浦の首級であった。 恩讐|
卍巴 お浦の首級は、頼母の叫び声を聞くと、眼を開けようとして、瞼を痙攣させたが....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
…白黒の一点と遙かになり、また池の汀《みぎわ》まで舞いおり、飛びかい、追いかけ、
卍巴《まんじともえ》のように入りみだれる。 鷹匠は鷹笛を吹いてしきりに加勢する....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
「そりゃ、そりゃ困る、直きそこじゃ困るんだ。是非大廻りに、堂々めぐり、五百羅漢、
卍巴に廻って下さい。唐天竺か、いや違った、やまと、もろこしですか、いぎりす、あめ....
「三国志」より 著者:吉川英治
また一面には蜀の王平も現われ、ここに蜀魏入り乱れての大混戦が展開されて、文字通り
卍巴の戦いとなった。いずれが勝ち、いずれが負けやら戦雲漠々、終日わからない程だっ....