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「卑猥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

卑猥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
違なかった。けれども彼には近藤の美的|偽善《ぎぜん》とも称すべきものが――自家の卑猥《ひわい》な興味の上へ芸術的と云う金箔《きんぱく》を塗りつけるのが、不愉快だ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
奇異な場所で出遇って笑いくずれぬものはなかった。卑しい身分の女などはあからさまに卑猥な言葉をその若い道士に投げつけた。道士は凡ての反感に打克つだけの熱意を以て語....
迷信解」より 著者:井上円了
し、あるいは医薬をとどめ死に至らしめ、蛭子、大黒を祀りて強欲の根拠とし、天満宮を卑猥のなかだちとし、観音を産婆代わりとし、狐、狸、天狗の妄談、いささかの辻神、辻....
暗号数字」より 著者:海野十三
んじゃかと三味線をひっぱたくのである。客も入っていないのに、彼女たちは大きな声で卑猥な歌をうたう。この暑いのにおでんでもあるまいとは思ったが、その屈托のなさそう....
『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
のだ。しかも事実はそれに反して、科学小説時代はついに来なかった。純文芸の復興や、卑猥小説の擡頭などの計画とともに、十把一からげの有様で、ついに科学小説時代の件も....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
にその死を惜しまる。 ○七月、歌舞伎座にて菊五郎、福助らが「小猿七之助」を上演。卑猥残忍の批難攻撃甚しく、遂に警視庁の注意を受けて半途休業。 ○八月二十一日、十....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
違って、今度は東京の諸新聞が相呼応して、殆んど一斉に批難攻撃の声をあげた。残酷、卑猥、不倫というような毒々しい文字が諸新聞の劇評をうずめた。聞くところによると、....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
抜かせまでするのであるから、耳を覆い眼を塞がねばならぬような所作が公然と行われ、卑猥怪奇残忍を極めた場面が、それからそれへと、ひっきりなしに続いてゆくのだった。....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
窟《まくつ》で、小生意気なハイカラや醜業婦共の歌う下劣極まる唄に比すれば、決して卑猥《ひわい》なるものという事は出来ない。彼《か》の舶来の舞踏など、余程高尚な積....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
仏説を応用して居るならば少しも怪しむに足らないですが、チベットには一種不可思議に卑猥なる宗教がありまして、その宗教の真理を修辞学に応用してあるのでございます。し....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ならぬ。かくてその堕落したものに至っては、すでに引いた如く早くも一条天皇の頃に、卑猥の歌詞を述べ、身振りおかしく踊って食を乞うの女法師ともなっていたのであった。....
濫僧考補遺」より 著者:喜田貞吉
ければ、笑ひ憎みて「往ね/\」といふもをかし。 尼法師が仏供の撤下物を所望し、卑猥なる歌を歌い、身振りおかしく打ち躍るは、目に見えるようではないか。各種の遊芸....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
そうか、ほう。」 これでわかった。拙い唄だと思ったが。 Nさんはいよいよ出て卑猥になる。 「ストトンストトンと通わせてえ。これが流行のストトン節や。」 「知....
学生と教養」より 著者:倉田百三
や、精神病者の場合には一層明らかである。色情狂はたしかに卑しむべきだ。そしてその卑猥の行為は疑いもなく、彼の人格に規定されている。しかし彼は道徳的評価の責に耐え....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ええやないか。あいつらのゴマすりは、今日に始まったこっちゃないやないか。」西崎は卑猥に笑った。 「西崎! 貴様も、あいつらの仲間に這入れ! それが似合ってら!」....