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卒倒
「卒倒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卒倒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
いものが、間々《まま》現われた。若い時には極度に苦しんだり悲しんだりすると、往々
卒倒して感覚を失うことがあった。その発作は劇《はげ》しいもので、男が二、三人も懸....
「生きている腸」より 著者:海野十三
チコの生育実験をまず一段落とし、いよいよこれより大論文をしたため、世界の医学者を
卒倒せしめようと考えた。 ある日――それはチコの誕生後百二十日目に当っていた。....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
当をするからしばらく我慢してくれと心の中にわびるように言いながら、君は若い漁夫を
卒倒したまま胴の間の片すみに抱きよせて、すぐ自分の仕事にかかった。 やがて行く....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
てくれた。その後ビヤトリスは他に嫁いだ。ダンテはその婚姻の席に列って激情のあまり
卒倒した。ダンテはその時以後彼の心の奥の愛人を見ることがなかった。そしてビヤトリ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
に飛びこんで来たのは、それからものの五分と経たないうちでした。 「主人が実験室に
卒倒して居ります。どなたか、手をお貸し下さい。早く、早く……」 こう叫ぶと彼は....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
極度の恐怖とを感ずると、 「ギャッ」 と一声、獣のような悲鳴をあげて、その場に
卒倒したのだった。呪われたる人喰人種――。 × それを見届けると、大....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
●第六景・奈良井遊廓 花魁初菊 鴨川 布助 痺れる脳髄! もし此処で
卒倒したらば、それで万事休すだ! 弦吾は無形の敵と闘った。血を油に代えて火を点....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
の名をいってみなさい」 「万国骨董商のチャンフー号ですやろ」 すると戸倉老人は
卒倒せんばかりにおどろいた。チャンフー号の事件については、春木は牛丸には話したが....
「金属人間」より 著者:海野十三
に遠くへ離れてしまったような気がした。音さえ、遠くへ行ってしまった。かれは自分が
卒倒《そっとう》の一歩手前にあることをさとった。が、どうすることもできなかった。....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
もしもそのとき、後から声をかけてくれる者がいなかったら、女流探偵は、その場に
卒倒してしまったかもしれないのだった。 だが、ふしぎな早口の声が、彼女の背後か....
「空襲警報」より 著者:海野十三
いって、すぐ交通機関が停るようでは、ちょうど、手術にかかったとたんにお医者さまが
卒倒したのと同じように、たいへんなことになる。 空襲下でも、交通機関は、できる....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
自然に、その場の気分になっていた。が、そのとき不図頭を廻して横を向いたとき、彼は
卒倒せんばかりに愕いた。―― 「おお、ミチミ――」 ミチミが生きていた。ミチミ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
すから、少しずつ治まって、痙攣も一日に二三度、それも大抵時刻が極って、途中不意に
卒倒するような憂慮なし、二人で散歩などが出来るようになったそうです。 一日、巴....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
しきる雪に打たれたのだから、病上りの身の何とて堪えらるべき、忽ち迷眩して雪の上に
卒倒した。同伴の日本人の誰彼れは驚いて介抱して直ぐ下宿に連れて戻ったが、これが病....
「活人形」より 著者:泉鏡花
るにぞ、棄置き難しと警官がとりあえず招寄せたる探偵はこの泰助なり。 泰助はまず
卒倒者の身体を検して、袂の中より一葉の写真を探り出だしぬ。手に取り見れば、年の頃....