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卒業証書
「卒業証書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卒業証書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
思った。とうとう倉地は自分のために……葉子は少し顔色を変えながら封を切って中から
卒業証書のような紙を二枚と、書記が丁寧に書いたらしい書簡一封とを探り出した。
....
「グッド・バイ」より 著者:太宰治
《ほたる》の光でも歌わせて、いや、仰げば尊し、のほうがいいかな、お前が一人々々に
卒業証書を授与してね、それからお前は、発狂の真似《まね》をして、まっぱだかで表に....
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
われても馬耳東風、祖先を敬するの念厚く、亡父の命日にはお墓の掃除などして、大学の
卒業証書は金色の額縁にいれて母の寝間の壁に飾り、まことにこれ父母に孝、兄弟には友....
「こころ」より 著者:夏目漱石
か》になった。下宿の二階の窓をあけて、遠眼鏡《とおめがね》のようにぐるぐる巻いた
卒業証書の穴から、見えるだけの世の中を見渡した。それからその
卒業証書を机の上に放....
「道草」より 著者:夏目漱石
がて四つ折にして一纏めに重ねた厚みのあるものを取り上げて中を開いた。 「小学校の
卒業証書まで入れてある」 その小学校の名は時によって変っていた。一番古いものに....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
た。学校では学年末の日課採点に忙わしく、続いて簡易な試験が始まり、それがすむと、
卒業証書|授与式が行なわれた。郡長は卓の前に立って、卒業生のために祝辞を述べたが....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
輩にも出入り油断なく、いやしくも交わるに身の便宜になるべき者を選み、他の者どもが
卒業証書握りてほっと息つく間に、早くも手づるつとうて陸軍の主脳なる参謀本部の囲い....
「惜別」より 著者:太宰治
、ひどいのは、れいの速成教育で石鹸製造法など学び、わずか一箇月の留学であやしげな
卒業証書を得て、これからすぐ帰国して石鹸を製造し、大もうけをするのだ、と大威張り....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
じゅうりん》してくれよう、というのである。これが数え年で二十四の男児である。来年
卒業証書を握ったらべそ子嬢に結婚を申込もうなんと思い寐《ね》の夢魂|七三《しちさ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ともだんだん打算的になった。 三月になって、私達の学年は卒業した。その時、私の
卒業証書も家に託送された。その事実を知ったのは、例の国語の女教師の口からであり、....
「ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
、大学の玄関をはいって右側の事務室でいろいろの入学手続をすませた。東京帝国大学の
卒業証書も検閲のために差出したが、この日本文は事務の役人にとって自分の場合のラテ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ってたから。」 「でも、次郎ちゃんは、また正木に行くんだろう。」 「そうさ。まだ
卒業証書をもらわないんだもの。」 「すると、べつべつになるんかい、その人と。」 ....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
田には間があれど小春は尤物介添えは大吉婆呼びにやれと命ずるをまだ来ぬ先から俊雄は
卒業証書授与式以来の胸|躍らせもしも伽羅の香の間から扇を挙げて麾かるることもあら....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て試験を受けないでも免状を与えようという校長の内諭もあったが、気に喰わない学校の
卒業証書を恩恵的に貰う必要はないと、キビキビ跳付けてプイと退学してしまった。 ....
「梅雨晴」より 著者:永井荷風
て顧《かえりみ》ないので、試業の度ごとに落第をした結果、遂に学校でも持てあまして
卒業証書を授与した。強面《こわもて》に中学校を出たのは翰とわたしだけであろう。わ....