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「卒業論文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

卒業論文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
い。試験は何時《いつ》も、甚《はなは》だ曖昧《あいまい》な答案を書いて通過する、卒業論文の如《ごと》きは、一週間で怱忙《そうぼう》の中に作成した。その自分がこれ....
路上」より 著者:芥川竜之介
。それから始めてのびのびと椅子《いす》の背に頭を靠《もた》せながら、 「君はもう卒業論文へとりかかったのか。」と、全く別な方面へ話題を開拓した。 「本だけはぽつ....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
れより君の特に研究しようとしているのは、何ですか。」 「維新史です。」 「すると卒業論文の題目も、やはりその範囲内にある訳ですね。」 本間さんは何だか、口頭試....
一灯」より 著者:太宰治
私は、その翌年の春、大学を卒業する筈になっていたのだが、試験には一つも出席せず、卒業論文も提出せず、てんで卒業の見込みの無い事が、田舎《いなか》の長兄に見破られ....
こころ」より 著者:夏目漱石
頭に残さなかった。私は今まで幾度《いくたび》か手を着けようとしては手を引っ込めた卒業論文を、いよいよ本式に書き始めなければならないと思い出した。 二十五 その....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
。今度は春の休みで一寸上京しましたので直ぐにこちらへ引き返しました。研究の結果は卒業論文としました。それに尚研究を加えて一冊の書物に纏めますから、その時お送りい....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
いが、この秀才が卒業前に発表した最初の学術的論文は「個性の問題」というのである。卒業論文はカントの歴史哲学に関するものであった(この学術論文? には当時のロマン....
道連」より 著者:豊島与志雄
て、あらゆることに好奇心が持てた。身体も至極丈夫だった。 その年の夏の休暇に、卒業論文を書きに、僕は或る山奥の淋しい温泉へ行った。所が卒業論文なんてなかなか厄....
工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
れた頭脳と蘊蓄を示して、常に「最後の言葉」を話す人であったそうである。 学生の卒業論文などについても指導甚だ懇切であった。初めにはいきなり酷く叱られて慄え上が....
競漕」より 著者:久米正雄
が訪ねて行って見ると、驚いたことには津島は下宿の六畳の間一ぱいに蔵経を積め込んで卒業論文を書いていた。(津島は宗教哲学を専修していたのである)窪田自身も卒業期で....
魔都」より 著者:久生十蘭
である。 この人物は大正十一年の東大哲学科の出身で、「矛盾の哲理」という警抜な卒業論文によって今でも同期生の記憶に残っている秀才だが、卒業すると同時に引手あま....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
十九年五月十九日(封書) 虚子先生|行春の感慨御同様惜しきものに候。然る所小生卒業論文にて毎日ギュー。閲読甚だ多忙。随って初袷の好時節も若葉の初鰹のと申す贅沢....
熱情の人」より 著者:久保栄
小山内先生は、大学の卒業論文が英国の詩篇の研究であったばかりでなく、文壇へのデビユも「小野のわかれ」....
リラの手紙」より 著者:豊田三郎
久能は千駄木の青江の家に移って卒業論文に取りかかった。同じ科の連中に較べると、かなり遅れていたので、狼狽気味に....
日本のこころ」より 著者:中谷宇吉郎
へ来て、主な教育は東京で受けた人である。それも東大の文学部に入り、国文学を専攻、卒業論文には「芭蕉《ばしょう》の研究」というのを書いたのだから、少し念が入ってい....