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卒都婆
「卒都婆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卒都婆の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
公の御前へ召出されて共々に勤めた事が度々であった。 翁が能静氏から「道成寺」「
卒都婆小町」を相伝したのはこの時であった。それから後、翁の出精がよかったのであろ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の『大唐西域記』巻十二|烏※国《うせつこく》の条に、その都の西二百余里の大山頂に
卒都婆《そとば》あり、土俗曰く、数百年前この山の崖崩れた中に比丘《びく》瞑目《め....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。 「弁信さあ――ん」 この時、一方では水を切って落ちて来た一刀。丈余の
卒都婆《そとば》をストリと二つに切って、南無阿弥陀仏の梵字《ぼんじ》を頂いた「我....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
いた。三方崩れかかった窪地の、どこが境というほどの杭一つあるのでなく、折朽ちた古
卒都婆は、黍殻同然に薙伏して、薄暗いと白骨に紛れよう。石碑も、石塔も、倒れたり、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、お雪ちゃんも注意して見ると、崩れかかった石の五輪塔に、文字の読みかねた二三本の
卒都婆《そとば》が突き刺されているのを認めました。 お墓を見つけ出したことを喜....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
さんが一人、綸子《りんず》の着物に色袈裟《いろげさ》をかけて、経机に向って、いま
卒都婆小町《そとばこまち》が授けた短冊に向って歌を案じている。気品も充分だし、尼....
「蠅供養」より 著者:田中貢太郎
ふりかけた。 次に瑞光寺へ持って往くと、慈明上人は経を読んで、蠅を山上へ葬って
卒都婆をたてた。これは元禄十五年に於ける京の巷説の一つである。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
大きな供養塔の木柱が立っている、その下の、波の寄せては返す岸辺を見ると、そこに雛
卒都婆《ひなそとば》が流れている、その
卒都婆もまだ新しい。波になぶられて、行きも....
「俊寛」より 著者:倉田百三
る。秋。成経|浜辺に立って海のかなたを見ている。康頼岩の上に腰をおろして木片にて
卒都婆をつくっている。 成経 あゝとうとう見えなくなってしまった。九州のほうへ行....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いここへ走ッて来ると死ぬのであった。そして浜の砂丘には、身寄りの者が建てたらしい
卒都婆が毎日のようにふえていた。 「師氏」 「は……」 「供を返せ。駒も一しょに....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ぶん虫がいい。 清盛の一挿話がここにもある。社務所の横の浜辺でちらと見た“康頼
卒都婆石”のいいつたえである。――例の後白河上皇をめぐる側近たちの平家顛覆の謀議....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
それを立石権現と名づけて拝んでおりました。そこから遠くに見える狗留孫山の絶頂に、
卒都婆石、観音石という二つの大岩が並んでいて、昔はその高さが二つ全く同じであった....