卓上[語句情報] »
卓上
「卓上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卓上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
あった。
書類が一山片づいた後《のち》、陳《ちん》はふと何か思い出したように、
卓上電話の受話器を耳へ当てた。
「私《わたし》の家《うち》へかけてくれ給え。」
....
「路上」より 著者:芥川竜之介
俊助《しゅんすけ》は、制服を和服に着換《きかえ》ると、まず青い蓋《かさ》をかけた
卓上電燈の光の下で、留守中《るすちゅう》に届いていた郵便へ眼を通した。その一つは....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
大蘆原軍医はそう云ってから、笊の中から、一番大きな栄螺を掴みあげると、二人のいる
卓上のところまで持ってきた。磯の香がプーンと高く、三人の鼻をうった。すばらしく大....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
工重力しか掛っていないそうだが、それでもその効果は大したもので、滑ってころんだり
卓上のものが動きだしたり、栓をするのを忘れたインキ壺からとびだした雲状のインキが....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
してくださるでしょうね」 「そうですねえ、――」 とハバノフ氏は言葉を濁して、
卓上の函から葉巻煙草をとって口にくわえた。 このハバノフ氏というのは誰あろう。....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
敷へ飛込んで、突立状に指したのは、床の間|傍の、※子に据えた黒檀の机の上の立派な
卓上電話であった。 「ああ、それかい。」 「これだあね。」 「私はまたほんとうの....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ーニングに白粉の粉がついてしまった。貞操の破片が絨氈の上でキラキラと光っていた。
卓上電話がけたたましく鳴った。 ――火事です。三階から火が出たのです。早く、早く....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
はまたこれを趙太爺に告げて一時すこぶる真面目になって話をしたので、趙太爺は晩餐の
卓上秀才太爺(息子)と討論した。阿Qは全くどうも少し怪しい。われわれの戸締もこれ....
「端午節」より 著者:井上紅梅
なった。飯を食ってしまうと彼はすこぶる上機嫌になり、太巻のハートメンに火を点け、
卓上から嘗試集を攫み出し、床の上に横たわって見ていた。 「じゃ、あしたは出入の商....
「風波」より 著者:井上紅梅
んというのは、彼女の倅の※である。その時七斤ねえさんは飯籃をさげて卓の側に行き、
卓上に飯籃を投げ卸してプリプリ腹を立てた。「おばあさん、またそんなことを言ってい....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
彼はそこで櫂を押して過ぎ去った。 わたしは母親に喚ばれて晩飯を食いに帰ったら、
卓上の大どんぶりに煮立ての羅漢豆があった。これは六一爺さんがわたしの母とわたしに....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
や山の幸をさし出して心からもてなした。 ご馳走というものは必ずしも山海の珍味を
卓上に山盛りすることではない。要はそれをもてなすあるじ達の心の量にあるのではなか....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
亭の抱負や目的をほぼ想像する事が出来る。出発前数日、文壇の知人が催おした送別会の
卓上演説は極めて抽象的であったが抱負の一端が現れておる。その要旨を掻摘むとこうで....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
多し。例えば、十三人食卓に列するを忌み、金曜日に旅立ちするを嫌い、二個の包丁の食
卓上に相交わり十字形をなすを不吉の兆しとし、プラムを食しその仁の数をかぞえて吉凶....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
果物が出るが、早く取らぬとすぐになくなってしまう。ジャガタラ芋は三度の食事ごとに
卓上に積んである。毎日、朝から晩まで、この芋の皮ばかりむく役目のボーイがおる。そ....