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南京米
「南京米〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
南京米の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「陣中日誌(遺稿)」より 著者:山中貞雄
安心下さい。 ○○の敵中上陸から北支派遣が上海派遣と早変りです。此処は南京豆と
南京米とそして南京虫の本場です。 (井上金太郎 宛) 揚子江岸に上陸して南京入....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
。だから帰《けえ》れって教《おせ》えてやるのに」 と他《ほか》のものが云う。 「
南京米《ナンキンめえ》の味も知らねえで、坑夫になろうなんて、頭っから料簡違《りょ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
としましょう。そのとき背後から二人の怪漢が忍び寄り、呀っという間に青年の頭から、
南京米の袋をかぶせてしまった。怪漢はこの袋を楽々とかついで側らの倉庫の中に姿を消....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
さ、という顔をして、急いでコック場に走って行った。 箸では食いづらいボロボロな
南京米に、紙ッ切れのような、実が浮んでいる塩ッぽい味噌汁で、漁夫等が飯を食った。....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
稲荷鮨は元来がおこんこ様好み。麻の実、萱の実、青昆布などの扱らいに、ツイ騙されて
南京米をも知らずに頬張るが、以前はそんな吝なのはなかったものだ、憚んながら今でも....
「獄中記」より 著者:大杉栄
正座して待っているみんなに相済まず、自分でも少々きまりが悪いし、それにもみ沢山の
南京米四分麦六分といういわゆる四分六飯に大ぶ閉口もしていたのだから、そのまま箸を....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
物はずいぶんひどい。飯は東京監獄と違って色が白い。東京監獄は挽割麥だが、こちらは
南京米だ。このごろ麦の値が高くなって、
南京米の方が安く上るのだそうな。何にせよ味....
「若い世代の実際性」より 著者:宮本百合子
文学のことだの人生のことだのということはどうでもいいから、先ずスフの洗濯が上手で
南京米をうまく炊いて、やりくりをともかく良人に苦労かけずにやってくれる妻、物価高....
「地図にない街」より 著者:橋本五郎
に、たった一つの電燈を浴びて、もじりの者、法被《はっぴ》のもの、はなはだしいのは
南京米の袋をかぶったもの、いずれも表通りでは見られないような男達が、およそ四十人....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んと卸《おろ》してしまいます。 「何だい、めっぽう重そうなものをかついで来たね、
南京米《ナンキンまい》じゃあるまいな」 と関守氏がききますと、 「持って来るには....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
年は、これまでになかった新考案の織物が続出いたしました由。そんなキモノきて、六割
南京米の入った御飯たべて、そんなびっこの生活に女は平気で、せめてキモノだけと思っ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
は、耳のところに二つ穴をあけた黒いソフトをかぶっている。雨の日は、老人のほうは、
南京米の袋を肩に掛けているだけだが、馬のほうは、古いながら護謨引《ごむび》きのピ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
米もその通りで日本のお米は御存知の通り糊精分が多くって大層粘着力があります。俗に
南京米《なんきんまい》という外国の米は粘着力がなくってポソポソします。外国米の御....