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「南京豆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

南京豆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
立てて、黙然として坐っていた。床の上を足を動かすたびに、先客の喰荒らした広東豆(南京豆のこと)の殻が気味悪くつぶれて音をたてた。車内の空気はもとより腐敗しきって....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
から、どやどやと数人の姿があらわれて海底に立ったその姿をよく見ると、まるで大きな南京豆《ナンキンまめ》を縦にしたような形をしていた。そしてその下部や胴中から、細....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
いて、如何にも我が意を得たる絶好の対象物だと思ったのでした。 私は小さい頃から南京豆の入っているあの三角形の袋が好きでした。駄菓子屋の店先などに丸い笊の中に打....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
」が出来て六十部届けられた。印税の一部も。 ◯エホンの稲垣さん来宅。自園でとれた南京豆一袋いただく。子供の大好物なり。原稿料を持参せられ、又次のものを頼まる。そ....
海底都市」より 著者:海野十三
室に居る。机の上には物象《ぶっしょう》の教科書の、第九頁がひらいてあり、その上に南京豆が三粒のっているだろう」とあった。 そのとおりであった。ふしぎであった。....
心臓盗難」より 著者:海野十三
とつぜん安東仁雄の病床を訪れた。 安東は、北向きの病床に上半身を起し、さかんに南京豆の皮を指でつぶして、豆をがりがり噛んでいた。血色は、すばらしくよかった。彼....
地獄の使者」より 著者:海野十三
いいつけられた。一同は隅っこに椅子を円陣において、煙草をふかしたり、ポケットから南京豆をつまみ出してぽりぽりやる者もあった。お茶が配られると、一同は生色を取戻し....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
りに奇妙な売声をはりあげて、客を呼んでいた。 三千子は、ふとした気まぐれから、南京豆を売っている露店の前で足を停め、 「あんちゃん。おいしいところを、一袋ちょ....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
がうよ」 「じゃ、なにを植えるの。僕に教えてくれてもいいじゃないか。あ、分った。南京豆《なんきんまめ》だい。そうだよ、南京豆だい」 「ちがうちがうちがう。ああ、....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
サンドウィッチがたべたいといった。それからレモン水も欲しいし、序にチョコレートと南京豆とを買ってちょうだいなと、彼に金を渡した。 仏は、その金を握って、プラッ....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
くるわないというすばらしいものだ。 太刀川青年は、ステッキの中から、紐のついた南京豆ほどの奇妙な受話器をひっぱりだし、耳の穴に入れた。そして右の指先で、小さな....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
められた時に出した舌だ――すぼめ口に吸って、濡々と呂した。 ――こういう時は、南京豆ほどの魔が跳るものと見える。―― パッと消えるようであった、日の光に濃く....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
奪われたような、むずかしい顔をして眺めて居る。行ったり来たりして、しつこく附纏う南京豆売り、壁紙売り。角のカフェ・ド・ラ・ペイとこっちのイタリー街の角との間は小....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ような横顔なのです。 「大事ないどすやろえ、お縁の……裏の処には、蜜柑の皮やら、南京豆の袋やら、掃き寄せてあったよってにな。」 「成程、舞台|傍の常茶店では、昼....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
と、百合子はまゆみの気持ちを損じたとでも思ったのか、駅前の闇市で買ってきたという南京豆入りの飴を出してすすめ、自分も口に入れて、 「内玄関で薬剤師の竹村春枝さん....