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南殿
「南殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
南殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
其の気色に顕れければ、伝奏|未奏せざる先にまづ直衣の袖をぞぬらされける。主上則ち
南殿の御簾を高く捲せて玉顔殊に麗しく、諸卒を照臨ありて正行を近く召して、以前両度....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
るることすら、大変な評判になっているころだ。 いよいよその日の午後には、新帝も
南殿に出御して各国代表者の御挨拶を受けさせられる、公使らの随行員にまで謁見を許さ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
年取った祖母たちのように平気でこの破壊の中にすわってはいられなかった子だ。伊那の
南殿村、稲葉の家との今度の縁談がおまんの世話であるだけに、その祖母に対しても、お....
「源氏物語」より 著者:紫式部
見せになるはずのものではないが、どうして伝わっているのであろうか。夜がふけてから
南殿の宴は終わった。 公卿《こうけい》が皆退出するし、中宮と東宮はお住居《すま....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
いほどである。君は小督の事に思い沈ませられて昼は夜の御殿に許り居らっしゃって夜は
南殿にお出ましになって月の光に御心をすませていらっしゃる。丁度頃は八月の十日余の....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
《やしろ》の東南のあたりに後白河法皇の寵姫が隠れていた。江口の遊女で亀遊といい、
南殿で桜花の宴があったとき、喜春楽を舞って御感《ぎょかん》にあずかったという悧口....
「三国志」より 著者:吉川英治
水へほうり捨てた。 すでに禁門を犯してなだれこんだ魏兵は、甲を着、戈を持って、
南殿|北廂の苑に満ちみちていた。帝は、いそぎ朝臣をあつめて、御眦に血涙をにじませ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ばならない。 その大任を負って、新田|右衛門佐義貞はいま、身のしまるおもいで、
南殿の下にぬかずいた。――すこしさがって、弟の脇屋義助、式部|義治、堀口美濃など....