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南面
「南面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
南面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
何によって味覚に達すべき。かかるとき愕きもない平凡もない。強いていおうならば北斗
南面して看るという唐ようの古語にでも表現を譲《ゆず》るより仕方はあるまい。 さ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
て泊ったことのある思い出の深い村である。翌日河内を経てショー台に登る。ショー台の
南面はスキー場になっていた。頂上からは西の尾根を下り、大通峠を経て三角点一二四四....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
南北四方の壁に、二十四の狭間が穿たれてあった。 夕陽が狭間から射し込んでいた。
南面中央の狭間から、宗春は城下を見下ろした。お濠の水は燃えていた。七軒町、長者町....
「運命」より 著者:幸田露伴
く、吾聞く、前代の大臣の吏に下さるゝや、多く自ら引決すと。身は高皇帝の子にして、
南面して王となる、豈能く僕隷の手に辱しめられて生活を求めんやと。遂に宮を闔じて自....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
の根本要旨である。 日蓮はこの論旨を、いちいち諸経を引いて論証しつつ、清澄山の
南面堂で、師僧、地頭、両親、法友ならびに大衆の面前で憶するところなく闡説し、 「....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
れ遠謀|禍殃を招くを奈ん 牆辺耳あり※を舁ぐの孤児戦場に趁く 蟇田素藤
南面孤を称す是れ盗魁 匹として蜃気楼堂を吐くが如し 百年の艸木腥丘を余す 数里の....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
も不良どすな、おほ、ほ。」 「怪しからん、――向う側へ。」 と、あとへ退って、
南面に、不忍の池を真向いに、高欄の縁下に添って通ると、欄干の高さに、御堂の光明が....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
から少し東に下ると、高さ約七尺幅五、六寸と思われる黄銅製らしき剣が建ててあって、
南面の中央に庚申二柱大神と朱で大書し、其下に「奉納 当山開祖 木林惟一」と記して....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
れた石城神社があり、別当神護寺がその西南に並び、所謂山姥ノ穴は、山の北面に二つ、
南面に一つ、東面に一つを記載してあるのである。すでに延喜式に社名を石城とある以上....
「西航日録」より 著者:井上円了
ない。春をもとめて四月に威州に入った。) バンガーには大学校あり、大本山あり、
南面には雪動(Snowdon)山脈屏立し、北方には米寧(Menai)海峡横断し、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
形の台座に据えられた鼠いろのその標石は高さは二尺にも満たないであろう。北面に鷲、
南面に菊の御紋章が浮彫りにしてあった。私は露西亜領の虎杖の草叢にもはいって見た。....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
る。それは既に長距離を歩いて来た為ばかりではない。南方の天空へ廻って来た日輪は、
南面の山腹へ対して万遍なくその光を直射しその熱をふりそそぎ、為に山肌に敷かれた松....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
平ヶ岳の上には中ノ岳の円錐頂が認められた。いつも三日月形の大残雪が残る平ヶ岳の東
南面には、夥しく白いものが見える。表面から反射する光の工合はどうも氷のようである....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の及ぶ限り一として上の雪田から下の谷底まで、雪を鏤めていないものは無い、毛勝の東
南面に懸っているものは殊に壮大である。力の籠った谷風が一陣また一陣、蹈鞴のように....
「春の大方山」より 著者:木暮理太郎
其以前に那須野の基線からする内務省の一等三角点として用いられていたので、其当時は
南面が茅戸であった為に、三峠の毛無山と同様に、便宜上毛無と呼ばれたものと思われる....