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単音
「単音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
単音の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
音節を基本的なものとしてこれを音または音韻と名づけ、これを組立てる小なる音単位は
単音と名づけてこれと区別すればよかろうと思う。 そうして、或る言語を形づくる音....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
余り、命が口から飛び出したようなものである。だから、いざと云う間際《まぎわ》には
単音《たんいん》の叫声となってあらわれるところを、まだ初さんの手前を憚《はばか》....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
を踏みながら、あどけない歌を唱っている。素絹《すずし》のような少女の声と、楽器の
単音が、傾いた金緑色の外景とともに、微かな寂寥を漂わせる。 彼女は、今更のよう....
「旅愁」より 著者:横光利一
人はまた並んで坂を登っていったが、もう誰も物いうものはなかった。空気を弾く明快な
単音は暫くつづいてからぴたりと停った。森閑となった坂を入り交った三人の影が長く打....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
発揮するが如く。本当のえぐさに到達することは達人への道ですから。そして、えぐさが
単音でないこと(「小祝の一家」は
単音よ)、和音であること、折れども折れざる線であ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
せられて帰宅されたことを思い出されるでしょう。読者の中には、その際有楽町の方から
単音符をうつような、気ぜわしい連続音が聞こえてくるのを耳にされた方もあって、この....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
ていた。 九 夜明けに近いころ、遠くで、さかんな機関銃の音がしていた。
単音符を打つような、鋭い、そのくせ陰性な音を、竜太郎は、浅い夢のなかで聞いていた....
「破れわらじ」より 著者:三好十郎
鳴るおよねの三味線のひびき…… M…… このあたりまでの歌や音楽の調子は、最初は
単音のそれが次第にポリフォニイになり、それが暗くなったり明るくなったりするが、い....
「露伴先生の思い出」より 著者:和辻哲郎
ったならば、よほど漢字に対する考え方が違っていたろうと思う。そこには漢語のような
単音節語特有の困難な事情がある。日本語は
単音節語ではないのであるから、右のような....