占有[語句情報] » 占有

「占有〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

占有の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
だ》は、おおぜいの男を知っているかもしれない。けれども、あの女の心は、おれだけが占有している。そうだ、女の操《みさお》は、からだにはない。――おれは、こう信じて....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
しそれは当初の目的から段々に堕落した。心の要求が言葉を創った。然し今は物がそれを占有する。吃る事なしには私達は自分の心を語る事が出来ない。恋人の耳にささやかれる....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
もたない一つの点がたとえどれほど急速に渦動をしても、それによっていくらかの空間を占有することはできないからである。スウェデンボルクは恐らくこの仮説によって、宇宙....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
、自他を峻別して自己に絶対の権威を置くの結果、三之助なる者の君の内的生活において占有する地位は淡い、小さい影にすぎなくなった。僕と君とのフロインドシャフトは今や....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
あの方だけは、永遠の処女で置かなければ、治まりがつかないのでございますよ。一人が占有しようものなら、それこそ誰も彼も怒りますて。まして貴殿は外来者、そうでなくて....
最小人間の怪」より 著者:海野十三
はかなり深い山懐で、木樵も見かけず、猟師にさえ会わなかった。私ひとりでこの深山を占有しているような気持がし、私の心は暢々としていた。 或る朝、起きてキャンプを....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
の心の中に、秘密のあることに感付くようになった。相手を愛するということは、相手を占有することであった。愛は完全を要求める点で、ほぼ芸術と同じであった。占有出来な....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
に勢力ありし安倍・大伴・上毛野等旧家の姓を賜わりたるものはなはだ多し。東奥六郡を占有して、王師に抗せし安倍貞任の祖先のごとき、またその一なるべきか。仙北の首領清....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
間、その殿内には大小室数を合わせて一万一千室ありという。当時は法王その一小部分を占有し、そのほかは政府にて博物館、美術館等に用う。この一事を見て、法王の権勢の衰....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
各国が資本を投じて、天賦の富源を開鑿せるによる。しかして、商業の全権はドイツ人に占有せられんとする勢いなるも、婦人の衣服や万般の装飾品はフランスに仰ぐ。概して南....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
殺食肉の禁忌から生ずる当然の産物であった。そしてその権利が或る一部の長吏法師等の占有に帰したが為に、その流れのものはその身に穢れありとして、昔は広くその等類を称....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
はありえない。智能勝れ、強健にしてよく勤労に堪えうるものが、自然その社会に勢力を占有して、幸福な生活を遂げ、暗愚にして、羸弱懶惰なものが、その反対に社会の落伍者....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
屠殺業に従事したものが、身に穢れありとの迷信から「穢多」というありがたからぬ名を占有せしめられるに至ったもので、もとは浄人・川原者並びに唱門師の徒をも、エタと呼....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
のすらなかったほどでありました。ことに藤原氏が専横をきわめて、争って天下の土地を占有するようになりましては、公民たる農民も事実水呑百姓の状態になってしまいました....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
も食べていようという光景はとても大正昭和の時代にはふさわない。 夜の灯が電気に占有されたのは大正初めからだが明治時代は一般には石油ランプ、それがおいおいガス灯....