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占者
「占者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
占者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
谷子と云うのは、こういう時に、話しをするのに都合よく出来上った、哲学者みたような
占者《うらないしゃ》みたような、妙な男である。無辺際《むへんざい》の空間には、地....
「新生」より 著者:島崎藤村
、金の問題が附いて廻る――どうも仕方がない」
岸本はあだかも、手相を観《み》る
占者《うらないしゃ》の前にでも出して見せるような手付をして、自分で自分の手を眺め....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
れは本当《ほんと》かえ」 「ハイ。何をお隠し申しましょう。妾は南の国で名高い女の
占者《うらない》で、今年で丁度八百八十歳になりますが、まだ一度も嘘を云った事は御....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
この人は落ち着きませんね。よほど厳しく監督しないと、とかく問題が起こりやすい。」
占者は言うのであった。葉子のことであった。 そこを出ると、二人とも占いの結果に....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
も無く、当ってもマグレ中《あた》りである。占のようなもんだと謂いたいが、占だって
占者に謂わせればドウして仲々大そうな根拠があるのだから、此の答案は先ず、占よりも....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
にあるお文庫の錠前が捻切ってありました、それから驚いて毘沙門様に願がけをしたり、
占者に見て貰うと、これは内々の者が取ったに違いないと申しましたから、皆の文庫や葛....
「それらの国々でも」より 著者:宮本百合子
きに乗じて、日本のファシストたちはアジアにおけるファシズムの勝利、資源と市場の独
占者になろうとした。われわれの家庭から前線におくられて死んだ一〇五万の軍人たち。....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
する者が少くない。カメラは浮浪児や夜の女やヤミ屋の若者のえがき出す街頭風景の中に
占者の店をとらえている。 政府が一方で賭博を禁止しながら「宝くじ」の百万円の夢....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
事場の騒ぎ、御本宅は寂として、御経の声やら、咳やら……」 十四 「
占者が卦を立てて、こりゃ死霊の祟がある。この鬼に負けてはならぬぞ。この方から逆寄....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
ているのである。 尤も、こうした哲学が実は却って、一定の産業組織や一定の技術独
占者にとって保護され保証されているという事実は、全く現実的な実際問題なのだが、こ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
よ、これを執れ。」そういう理論は、古人の間によく知られたものであった。ローマの卜
占者《ぼくせんしゃ》らはそれを実行していた。彼らは黒牛に白堊《はくあ》を塗りつけ....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
は、自然に想像を走らせる場合が多かった。連れて迷信を昂らせずにはいられなかった。
占者の言葉とか。夢見とか。烏蹄きとか。下駄の鼻緒の切れた事にも、凶兆として心配す....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
。そこで秀吉は通詞をして云わしめた。 「予の母は日輪胎に入ると夢見て予を産んだ。
占者は之を占ってこの児長じて世界を一統するであろうと。しかし我国には万世一系の天....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
をして来ても、人からさほど怨《うらみ》を受けるようなはずはないと思い込んでいる。
占者の説明を待って、 「それでは今のところ別にたいして心配するようなことはないん....
「それから」より 著者:夏目漱石
に何か遣るだろうと弁護したのだそうだ。すると嫂がそれに賛成して、一週間ばかり前|
占者《うらないしゃ》に見てもらったら、この人はきっと人の上《かみ》に立つに違ない....