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印ばかり
「印ばかり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
印ばかりの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
て、男の手かと思われる位。 「奥様、これは御恥しい品《もの》でごわすが、ほんの御
印ばかりに」 と母親は手土産《てみやげ》を出して、炉辺《ろばた》に置きました。 ....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
これは貴方《あなた》の御恩の万分の一に御礼するにも当りませぬが、唯《ただ》ほんの
印ばかりに差し上げます。御受け下さるれば何よりの仕合わせで御座います」 白髪小....
「帰途」より 著者:水野葉舟
四五の筒袖の外套を着ている、雪帽子をかぶった男が二人はいって来た。私達にちょっと
印ばかりに頭を下げて見せると、向い合って坐った。 馬車は荷物でも積むと見えて動....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、巡査、探偵などという奴が、その喜ぶこと一通でないぞ。中には夜行をするのに、あの
印ばかり狙いおる奴がある。ぐッすり寐込んででもいようもんなら、盗賊が遁込んだよう....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
揃って今日の悦びをいうのでした。父がその人たちに挨拶をします。気の利いた仲働が、
印ばかりの酒を出したようです。家の中では、旧い書生たちまで集って来て悦びをいいま....
「三国志」より 著者:吉川英治
関羽と張飛を呼んで仔細を語り、また供に持たせてきた金帛の礼物を、 「主従かための
印ばかりに」と、孔明へ贈った。 孔明は辞して受けなかったが、大賢を聘すには礼儀....