印税[語句情報] »
印税
「印税〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
印税の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
る出版|書肆《しょし》は今しがた受取った手紙の中に一冊五十銭の彼の著書の五百部の
印税を封入してよこした。第三に――最も意外だったのはこの事件である。第三に下宿は....
「風の便り」より 著者:太宰治
事をいただいてから、ゆっくり旅行でもしてみたいと思って居ります。「へちまの花」の
印税を昨日、本屋からもらいましたので。なおまた、詩人の加納さんとは、未だ一度もお....
「競馬」より 著者:織田作之助
ねに明日の希望があるところが競馬のありがたさだと言っていた作家も、六日目にはもう
印税や稿料の前借がきかなくなったのか、とうとう姿を見せなかった。が、寺田だけは高....
「世相」より 著者:織田作之助
ら結局の所……」 「しかし僕は一万円も持っていませんよ」 当《あて》にしていた
印税を持って来てくれる筈の男が、これも生活に困って使い込んでしまったのか途中で雲....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
氏へ手紙にて拝談す。 夜に入りて出版の用にて竹田清治君来。折から停電。未筆稿の
印税前渡し持参の連らく。 ◯昌彦少し具合わるし、昨日よりなり。 八月六日 ◯広....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
あまりに凝り過ぎ、あまりに文芸的であったため、たくさん売れなかった。そして、その
印税も編集を手伝った二、三子に分たれたので、芥川としてはその労の十分の一の報酬も....
「分配」より 著者:島崎藤村
この大量生産の結果で、各著作者の所得をなるべく平均にするために、一割二分の約束の
印税の中から社預かりの分を差し引いても、およそ二万円あまりの金が私の手にはいるは....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
れで大勢の人が食べてゆくことなどは到底できないのでした。広告料や、Oの二三の本の
印税や、あちこちから受ける補助やで、やっとどうにかOの留守中を凌いでいったのでし....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
僕は、二十九日に君を両国に送ってから、ある本屋からこんど出す『男女関係の進化』の
印税の一部分を受取って、それを持って四谷の保子のところへ行った。もう夜の十二時を....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
この冬外套の内ポケットへ入れておいた金を二度スラれた。出版社から受取ったばかりの
印税をみんな持って行かれ、坂口さんはマヌケだなア、わかりそうなものだがなア、など....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
、誰しも一夏新潟で長篇を書くなどゝ称すると本当だと思ふ。そこで出版元の大観堂まで
印税を前渡しによこしたが、実際は、新潟の夏ときたら、ひどい暑さだ。東京よりも遥に....
「端午節」より 著者:井上紅梅
詩を作った時、空間がどのくらいあったか。おそらく一冊書いて三百文くらいのものだ。
印税は半年経っても音沙汰がない。『遠くの水では近処の火事が救えない』、とても面倒....
「西荻随筆」より 著者:坂口安吾
放れ業をやらかしているのか、いささか心配であった。僕の知らない子供などが生れて、
印税を要求され、余の死するや子孫が数十人名乗りでたなどゝあっては、まア華やかで結....
「私の文学」より 著者:織田作之助
っただけだ。私は新円と旧円のきりかえの時、二百円しか金がなかった。今でもそうだ。
印税がはいってもすぐなくなってしまう。私は年中貧乏だ。しかし私は貧しい気持にはな....
「最初の印象」より 著者:大倉燁子
、先生がどんなにお骨折り下すったかはその書店の主人の口ぶりでも想像がつきました。
印税も一度に渡してしまうと直ぐ使ってしまうから、毎月に割って渡してやってくれとお....